19 一ヶ月 ページ19
｢じゃあ、帰るね。一ヶ月間ありがとう｣
名残惜しい気持ちで頭を下げて帰ろうとしたら、智君が顔を上げて、絵筆を置いた。
どうしたんだろうって思っていたら、鞄を取り上げて岡田君を振り返った。
｢俺も帰るわ｣
ドキッとした。
3時半。いつも智君が帰る時間にはまだなっていなかったから。
岡田君はにやっと笑った。
｢おいおいおい、早速かぁ？｣
何が早速なんだろうとわからなかったけど、途中まで一緒に帰れるのかもと思ったら顔がニヤけそうだった。
｢うるせぇ｣
智君は通りすぎ様岡田君に一言毒づいて、でもそんなに怒ってなくて、ちょっと照れ臭そうに苦笑してた。
結局三人で一緒に準備室を出た。おそらく最後の準備室。
美術部員にはなったけど、ここに入るには先生の許可がいるから、勉強のために特別に許されていた私はもう入ることは適わない。
お世話になった準備室のドアをそっと触れて振り返ったら、いつの間にか智君達がそれを見ていて、恥ずかしくなった。二人とも大人みたいな優しい目をしていたから。
昇降口に向かいながら私はずっと気になっていたことを岡田君に言った。今まで無駄口禁止だったから。
｢岡田君、一ヶ月も放課後独り占めしてごめんね。･････彼女とか、誤解したり大丈夫だった？｣
岡田君は、気安く笑って首を横に振った。
｢大丈夫。元々部活の時間だったし、彼女は別の学校だから。それに教えてあるよ、このことも｣
ほっとした。
｢良かった。･･････岡田君の彼女だったらきっと素敵な子なんだろうね。芯のしっかりした心の綺麗な、そんな人な気がする｣
｢ハハ、喜ぶよ｣
ちらっと見せた甘い笑みに彼女への愛情が垣間見えて胸がほっこりした。
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ao(プロフ) - あっちゃんさん» あっちゃん様、ご感想ありがとうございます。本当に見ているだけで、ほぅーっとなっちゃいます。口がポカーンと開いちゃって。美人さん過ぎます。あっちゃん様もご自愛なさってくださいね。頑張ります！ (2018年12月13日 9時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。いつもありがとうございます。ほんとに寒いですよね。成瀬期の彼はもう見ているだけで心も体も癒されます。なにかと世話しなくなる時期ですがお体を大切に、素敵なお話をお待ちしております。 (2018年12月12日 9時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月1日 16時
