17 居心地 ページ17
岡田君がびっくりしている私に実に楽しそうに言った。
｢あいつさぁ、凄いムラがあんの。中間とか期末はさ、いいときはトップとるけど、悪いときはAと変わらない順位取るよ｣
どういうこと!?
｢集中力がスゴイんだよ。本気で勉強したら誰も追いつけないような点数取るけど、やる気がない時は平気で赤点取んの。目標がないと本気出さないから。面白いから今度の中間、Aが何かご褒美やってみ？断トツでトップとるから｣
私があげられるご褒美なんて全然大したものじゃないけど･･････。
智君、凄いんだね。
居心地悪そうに背中を向けて絵を描いてる智君は、どうやら褒められるのが苦手らしい。
私は改めて岡田君に御礼を言った。
｢御礼を用意しようと思ったんだけど、岡田君の好みとか何にも分からなくて。とりあえずこれ、持ってきたんだけど･･････｣
手提げの中から出したのは家にあった大量の湿布薬と冷却スプレー。
風呂敷ごと、机の上に置いた。
ぎょっとしてる智君と岡田君。
｢すごい。どうしてこんなに家に湿布があんの!? 凄く助かるから嬉しいけど｣
岡田君の質問にちょっと言いよどんでから小さめの声で言った。
｢お父さんの仕事の都合で、いっぱいあるの･･････｣
｢親父さん、医者？｣
｢ううん。･･････ごめんね、言えないの｣
そう言ったら完全に引いちゃったから、仕方なく、警備員だよって言ったんだけど、二人とも、全然信じてなかった。
･･････お父さんの仕事は正確には私も知らない。国家公務員なんだけど、警察官ではなくて、大切な人を守っているとだけお母さんから聞いている。転勤が多いのもその相手が異動するからって。人に聞かれたら警備員だって言いなさいって言われて育った。
智君には嘘を言いたくないなぁって思ったんだけど、やっぱり最初から警備員って言った方が良かったかな？
｢Aの親父さん、格闘技とか出来る？｣
｢出来るよ。細いけどムキムキだね。･･････でも全然怖くないんだよ。むしろ頼りない感じ？｣
岡田君がいろいろ聞いてくる。でも、核心については触れて来ない。面白がってるだけだってわかるから私も言える範囲で答えていたら、それまで黙っていた智君がぼそりと言った。
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ao(プロフ) - あっちゃんさん» あっちゃん様、ご感想ありがとうございます。本当に見ているだけで、ほぅーっとなっちゃいます。口がポカーンと開いちゃって。美人さん過ぎます。あっちゃん様もご自愛なさってくださいね。頑張ります！ (2018年12月13日 9時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。いつもありがとうございます。ほんとに寒いですよね。成瀬期の彼はもう見ているだけで心も体も癒されます。なにかと世話しなくなる時期ですがお体を大切に、素敵なお話をお待ちしております。 (2018年12月12日 9時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年12月1日 16時
