37 唐揚げパーティー ページ37
｢あ、つまみ食いした。二宮君｣
｢ゆっくり揚げてるからでしょ｣
｢だから先にパーティ始めてていいって言ってるのに。量が多いからなかなか終わらないの！｣
｢あーうるせ。早く大野さん来ないかな〜。大野さん来たら一発で可愛くなるくせに｣
瞬時に黙る私。
二宮君、今の私にそれは禁句だってわかって言ってるよね。
｢意地悪｣
そうしたら、隣で一緒に作っている松本君がぼそっと言った。
｢今のいいね｣
｢唐揚げの揚げ加減？｣
｢違う。意地悪って言い方。意地悪したくなる｣
にやって笑う松本君。
二度と言うまいって封印した。
今朝、智君と束の間のデート気分が味わえるってワクワクして朝を迎えたら、相葉君ちに一緒に行けなくなったって連絡が入ってがっかりした。
間に合ったら遅れて行くって行ってたけれど、これるのかどうか分からない。なんの用事か教えてくれなかったし。
一人で行けるよって言ったのに、智君は松本君に連絡してくれて、松本君がバス停まで迎えにやってきてくれた。
それでさっき、ジュース買いに出てた相葉君が複雑な顔して帰ってきて、コンビニの前を智君と梨本先輩が一緒に歩いてたって聞かされて、今に至る。
･･････デートが入ったんならそう言えばいいのに。
もしかして、智君、まだ私が智君好きだって知ってるのかな。だから隠そうとしてくれたとか？
･････だったら私のこと相当自分勝手だって思ってるよね。自分で経験済みは無理だって言っておきながら、まだ好きだなんて、ほんとに勝手。
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作者名：あお
| 作成日時：2018年3月19日 14時
