私のもの！(O.S) (ページ36)

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36　性懲りもなくページ36

･･････智君、クリスマスはやっぱり先輩と過ごすの？もう先輩と一線越えちゃった？

｢Aちゃん、モテモテだな｣

｢それは智君だよね？｣

　えーっ？って笑ってる智君は無自覚極まりない。いったいどういう神経してんだろ。あれだけモテてるのに分かってないって。今だって周りの女の子がこっちを見てるのに。

｢松潤とニノから告白されたんでしょ｣

｢どうして知ってるの！｣

｢二人から申告受けた｣

　税務署みたいに言う。

｢後は相葉ちゃんと翔君か。二人きりになんないよう気をつけなよ。他の男もね｣

｢ないない！大丈夫だよ｣

｢無防備な奴｣

　言って、ぱちぱちって私の頬を両手で挟んだ。

｢約束だかんね｣

　智君、これはなんの拷問ですか！

　顔が近い！手がほっぺに触れてる！

　私噴火する！
　

｢あ、やべ｣

　ぱって手を離した智君の視線の先にいたのは怖い顔した梨本先輩で、私も慌てて一歩退いた。

｢Aちゃん、行きな｣

｢え、でも！｣

｢行けって｣

　強い力で押しやられる。声が怖かった。反対に智君は機嫌よく、よぅって言いながらふらふらっと梨本先輩の方に歩いていった。

　･･････智君。

　さっきまでのほんわかした会話が夢みたいだよ。

　大人しく智君から離れて角を曲がる。

　性懲りもなくちらっとだけ振り返ったら、梨本先輩の肩に腕を回した智君がいて。

　見なければよかったって盛大に後悔した。