25 塩対応 ページ25
弁当箱をランチバッグに入れると、まだ食べてる里穂ちゃんに謝った。
｢ごめんね。昼休み先生に手伝ってくれって呼ばれてるから先行くね｣
｢あ、うん｣
向かいの二宮君が楽しそうにニヤニヤしてる。
無視して行こうとしたら、本格的にハッて笑い出して。
｢いいねー、気持ちいいよ、おまえの塩対応。すっきりするわ！｣
｢確かに、媚びない感じがむしろ気持ちいいな｣
松本君の言葉に首を竦めた。
｢それはみんなが周りにいつもチヤホヤされてるからそう感じてるだけでしょ。珍しいだけ｣
｢池谷はちやほやしてくんないの？｣
櫻井先輩、面白がってる。
｢イケメンは見慣れてるので。･････それにみんなは私にそれを求めてないでしょ？｣
｢･･････じゃあ、俺達は池谷に何を求めてんの？｣
櫻井先輩の目が少し鋭くなる。みんなも黙った。
｢･････違ったらごめんなさい。･･････理解者？｣
言った瞬間、その場がシンとして、間違ったかなって思ったら、隣の相葉君が、いきなり抱き着いて来ようとした。
｢俺Aちゃん好きだー！付き合って！｣
びっくりしてたら、松本君が相葉君に、持ってたハンカチ投げつけて止めてくれた。
｢駄目だぞ！俺の方が先に告ったんだから、俺が先｣
｢えー！後先関係ないよね？ 受け入れて貰ったもん勝ちでしょ？｣
相葉君の言葉に櫻井先輩が乗っかる。
｢じゃあ、俺にも権利があるわけだ｣
｢誰がオッケーもらえるか、今から端から告って行こう！｣
悪のりの二宮君の提案に私は気が重くなって、椅子を引いて立ち上がった。すると、すぐ側まで智君が来てたことに気付いて驚いた。
｢楽しそう。何やってんの｣
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作者名：あお
| 作成日時：2018年3月19日 14時
