40 部長室 ページ40
飛び込んだ部長室。事務員さんに入室を許可されたから当然誰もいないと思って転げるように入って叫んだのに、そこには目が点になっている翔君がいてびっくりして思わず後ろの壁に張り付いた。
吹き出す看護部長。
私は穴があったら入りたい心地で縮こまった。
･･････慌てるにも程がある。こんなのじゃあ、コネで師長になったと思われても仕方ない。いやこんなのコネで入れる価値もない。
｢ばかね、コネでなれるんなら今頃院内はコネで選ばれた腑抜けのスタッフで埋め尽くされてるわ｣
それを聞いて心底安堵した。
｢うちの看護師の中には院長の姪や甥が何人もいるし、大御所の医師の娘さんやお孫さんもいるわ。でもみんなが役職に着いているわけじゃない。･･････あなたね、学生時代に付き合っていて、今も継続しているならまだしも、もう別れてるのにコネなんてあるわけないじゃないの｣
｢そうですよね。そりゃそうですよね･････｣
ほっと胸を撫で下ろす私を見て、翔君が労うように肩を幾度か叩いてきた。
｢ごめんな。･･････いつかはこうなることもあるかなって思ってたけど、ここまでになるとは思わなくてさ。ほんと、ごめん｣
｢櫻井先生が悪いわけじゃないから。･･････私も覚悟はしてたんだけど、こんなに目を付けられるとは思ってなくて。コネなんて私と先生であるわけないのに｣
｢･･････いや、そうでもないよ？｣
｢え？｣
言いにくそうに翔君がちらっと看護部長を見てから言った。
｢親父の耳にも届いててさ、いっそ結婚して、いずれ看護部長になってもらえばいいじゃないかっていうのは、言ってた。ここだけの話？｣
｢ええっ!?｣
部長を見たら、既に聞いていたことみたいで余裕の顔で苦笑していて、気を悪くされた様子がないことにほっとした。
｢その話が出たとき、一緒に聞いていたのよ。･････私も来年で定年でしょう？ 院長室で櫻井先生も一緒に後任の話をしていた時に、その話が出て。さすがに若いからいずれっていってもずいぶん先の話よねって、私もそれは言ったわ｣
｢いえいえ！ 先とかじゃなくて、ありえない話ですから。私に看護部長とか有り得ません｣
すると、じゃあ次期院長夫人はどう？と部長に聞かれてカチンと固まる。
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ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
