33 一人で運動会 ページ33
私はあまりの状況に酸欠になって息苦しくなった。
思わず机に手を着いたら智が近寄ってきた。
｢どうした？ 具合悪い？ ･････ちょっとごめん｣
言って、智は私の手首に綺麗な細い指先をあててきた。
｢はやっ！ ･････一人で運動会でもやってたの？｣
ブンブンと首を横に振る。
迂闊なことが言えなくて口を開けない。
｢とりあえず座ったら？ あ、ベッドあんのか。横んなる？｣
｢ええっ!? こ、こ、こ、ここがいいっ！この椅子が好きだから！｣
｢･････んな力説せんでも。んじゃ座って｣
背中を支えて座らせようとしてくれたんだけど、二人同時に固まった。
ピキーンって。
ブラのホックが外れたままだった〜〜！
恐る恐る智を見上げたら、その目が見開かれていて、涙目になった私が必死になって違う違うって首を横に振ってたら、智の視線がゆっくりとベッドの方へ向けられた。
ああ、万事休す！
これだから頭のいい人は･･････。
多分全部を理解した智は、自分の唇の前に人差し指を立てて、しーってジェスチャーをしてきた。
さっきから迂闊に何も喋れなくなってる私は頷くだけ。
すると智は何を考えているのか、再び抱きしめるように私の背中に手を回してきたかと思ったら、ブラウスの下から手を入れて、直接、外れていたブラのホックを直しにかかった。
素肌に触れる智の指先。背筋を微妙な力加減で辿っている。
｢んっ、や｣
くすぐったいのと恥ずかしいのとで勝手に上がる声が妙にいやらしくて、顔が真っ赤になる。
｢しっ。･･････えっちぃ気分だ？｣
｢･･････ごめんなさい｣
｢じゃなくて、こっちがなっちゃうでしょってこと。Aもえっちぃの？｣
｢ん、もう、やだ･･････｣
｢だからそんな声出さんでって｣
｢だって、手が･･････。んんっ｣
｢やべ、触りたくなってきた｣
｢や！ 前に回さないでっ｣
｢おっきぃ！ こんな、いつ成長したの？｣
｢もう、智っ！｣
私が叫んだ時だった。
パチンとホックが留められるのと、翔君がベッドの下から飛び出て来るのが同時だった。
あー！もう終わりだ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 736人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
