18 許される？ ページ18
｢家まで送るわ。寮じゃないんだろ？｣
｢そうだけど、いいよ。タクシーで帰れるから。さっきはちょっとふらついただけ。････そんなに酔ってないし｣
智の声が低くなった。
｢送られんの嫌なのは男と住んでるから？｣
｢住んでないけど･･････｣
｢一人？｣
質問の意図が分からなくて、戸惑いながら頷いたら、腰を抱く手が強くなった。
｢智･････｣
だめ、心臓が潰れちゃう。
こんなに近づいたら強く叩く鼓動の速さがばれてしまう。
智、彼女いるんだよね？小百合さんが今も隣にいるんでしょう？なのにどうしてこんなに身体を触れ合わせるの。それともうまくいってないの？
｢･･････離れたくねぇな｣
搾り出すように言って、頬を私の額に擦り寄せた。
セクシーな声にゾクゾクと身震いして、身体の芯に熱が灯る。
その背中に手を回しちゃいけない。
そう思うのに、手が彼を求めて上がって行く。
おずおずと、触れるだけなら許されるだろうかと指先をスーツの背中に一瞬だけ触れさせたら、まるでそれを待っていたかのように智に抱きしめられて、電柱の影で奪うように唇が合わさった。
｢ん･･････！｣
智の香りに脳が撹拌される。
唇で唇の柔らかさを確かめるように擦りつけられた後、顎の下を支えあげられて、貪るようなキスが降って来た。
今までしてきたどのキスよりも情熱的で、官能に溢れていて、呆気なく腰に来て、智に縋り付く。
舌の入り方がスムーズで、慣れてるなって、30歳の男なんだから当たり前なのに寂しさが過ぎった。でも今まで智が相手にしてきた女の子に負けたくなくって、私から舌を絡ませたら、倍の動きで翻弄されて、そんなやりとりを繰り返していたら、気がついたら抜き差しならないくらいに身体が切羽詰まってた。
息が上がった私を抱きしめながら、耳元で｢連れて帰っていい？｣って聞いてきた。
｢アッ･････｣
もう、ぐずぐずの私は智の声を聞いただけで感じてしまう。私を抱く指先の力が少し強くなるだけで、ビクビクと震えてしまう。
ホテルに誘ってるの？
｢なんでこんなに･････｣
可愛いの？ そう聞こえた気がして、胸がキュンとなった。
･････私を愛しそうに抱きしめるその腕に、何もかも忘れて委ねそうになる。
でもその時、電話が鳴った。聞き慣れないコール音。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 736人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
