2 点滴 ページ2
｢あの山田さん、他にも何人かに声をかけてたみたいですよ。ちょっとイケメンだからってあっちもあっちですよ。私は全然タイプじゃないですけどね！｣
｢今から謝罪するから一緒に頭を下げてくれる？｣
｢向こうだって問題あるのにですか？｣
｢謝ったら負けって言う人もいるけど、私はそうは思わないわ。うちのスタッフのせいで傷ついてる人がいる以上、ちゃんと謝らないと｣
｢･･････やっぱりAさんって頼れる。うー、主任てばどこに行ったんだろ！おまえの担当だろって！｣
｢興奮しない。･･････病院なのに奥様に心の傷を負わせてしまったわね。私、反省しなきゃ｣
その時、向こうから看護師が慌ててやってきた。
｢師長、303号室の清水さんの点滴、どうしても入らなくって！助けてください！｣
私は思わず天井を見上げた。
清水さんは温めても何をしても血管が見えにくい人で、針の交換の際、いつもみんな大苦戦するのだ。24時間点滴だから、長く点滴を切らせない。
｢何人交替したの？｣
｢････私で三人目です｣
嘆息して私は先に清水さんの部屋に向かった。
清水さんは私を見た途端顔を輝かせた。
｢師長〜、もうなんとかしくださいよー。俺の腕血だらけです｣
私はにっこり笑って手早く清水さんの腕にバンドを巻いた。
バンドを巻くのも一苦労だ。･･････清水さんは巨漢なのだ。
｢大変な思いをさせてごめんなさいね｣
指で腕を辿って場所を決め、針を挿入。
｢はい出来た｣
｢やっぱり師長早い！｣
清水さんに尊敬の眼差しを向けられても困る。
｢これから毎回師長やってくださいよー｣
唇を尖らせて、不甲斐なさにがっかりしている看護師を横目で見ながら言う清水さんに、私は微笑んで言った。
｢残念ながら私がした場合、別料金なんですよ？｣
｢えっ!?｣
｢そこの冷蔵庫に入れてるおやつを片付けて過剰な栄養の摂取を控えていただけるなら技術料は無料にさせていただきます。そうなさっていただけたならうちのスタッフの針もスイスイ入るようになりますから。では失礼します｣
なるべく冷たく言ってスタッフにバトンタッチして出た。
｢師長こえーよ、看護師さーん｣
泣きついているのを背中で聞いて一安心。私よりも看護師との仲を深めて欲しいから。
腕時計を見て、1分で病室を出てこれたことに小さくガッツポーズ。
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ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
