14話 ページ37
｢私なんて勝手に妄想して嫉妬するようなつまんない女なのに、どうして優しくしてくれるの？｣
｢嫉妬しない女の方がつまんないじゃん｣
｢じゃあ彼女が女友達に会うたびに目くじらたてたらどうする？｣
｢別れる｣
｢ほらー！｣
｢でもAさんだったら可愛いだけだから許す｣
にっこり笑われて、不覚にもドキッとしてしまった。
｢･･････口がうまいんだから｣
もっと詳しく聞いて貰って、ニノに自分の何がダメだったかキッパリと言って貰いたかったけど、甘えすぎだなって思ってそれ以上は口をつぐんだ。自分で考えなきゃ。
｢そういえばニノって卒業旅行に行ったりするの？｣
｢行かない｣
｢どうして？｣
｢卒業旅行の意味がよくわかんないから｣
｢記念、でしょ？仲間と最後の思い出作りに･･････。あっ！いや、･････卒業旅行は一人で行ってもいいと思う、うん｣
｢気の使い方がヘタクソか！一応誘われてるっつうの｣
｢友達いたんだ？ やだ、嬉しい･････｣
冗談を言ったらカウンターの上に置いていた手をバシッと叩かれた。
｢いたっ！｣
｢あんたが言ったんでしょうが。俺はあんたの友達だって｣
｢言ったかな、そんなこと｣
｢ひどくないっ!? あの時の俺の感動を返せ！｣
｢うそうそ。覚えてるってば｣
｢勘弁してよ｣
｢ごめんっ｣
二人で顔を見合わせて笑いあった。
｢卒業旅行に行くならAさんと行きたい｣
｢んー、別々の部屋だったらいいけど｣
｢いいの!?｣
｢おーちゃんと翔君と一緒にみんなでね｣
｢お!? ･･････出た出た、おーちゃん。･･････元気出たの？｣
｢うん、出た｣
｢････ちぇっ。別れないのか｣
面白くなさそうに唇を尖らせたニノ。
私は苦笑した。
｢元気にさせてくれたのニノでしょ？ 矛盾してない？｣
｢しょうがねぇだろ。弱ってる女につけ込んだって、一生後悔すんの目に見えてるじゃん。主義じゃないだけ｣
かっこいいね。
･･････私も強くなりたい。
いつか松にぃが、私にはしなやかに受け流す強さがあるって言ってくれたことがある。嬉しかったけど、今、全然受け流せてない。おーちゃんの心が動いたっていう確信があるわけでもないのに、勝手に不安になって勝手に逃げて帰って、本当にどうしようもない私。
ん？
ふと、顔をあげる。
｢そうだ、私おーちゃん置いて帰って来ちゃった･･････！｣
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ao(プロフ) - hanauma528さん» hanauma528様、待ってくださってありがとうございます。一話完結型で、悲しいまま｢続く｣にならない作品なので、安心して作れるから好きな作品です。すぐに次も更新しますから、待ってて下さいね〜。お言葉励みになりました。ありがとうございました！ (2019年2月22日 8時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
hanauma528(プロフ) - aoさん、本当に本当に お待ちしてました。大ちゃんと、主人公ちゃんのやり取りが、ほのぼのして萌えます。次のお話も心待ちにしてます。 (2019年2月22日 7時) (レス) id: e5de554dbb (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - megu.さん» 聞かせて下さいって言ってくださるのを見ただけで、救われた心地になりました。素敵な言葉をありがとうございます。私も夜のラララは好きな回です。音楽用語選び、いつも楽しいんですよ。マイペースで頑張りますね。ほんとにあたたかい言葉をありがとうございました。 (2019年2月21日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - megu.さん» megu.様こんにちは。コメントいただけて嬉しいです。愛を奏でるの創作が近頃すすんでます。お陰でまた作品作りが進みそうです。ありがとうございます！ (2019年2月21日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
megu.(プロフ) - 今さらですが、このお話のタイトル、音楽用語が入ってますね♪『夜のラララ』は、趣があって萌えました(･∀･`)。いろいろお伝えしたいことはありますが、智くんは、妄想もリアルも素敵です♪あお様のペースでこれからも…。できたら、思うこと、聞かせてくださいね。m(__)m (2019年2月20日 19時) (携帯から) (レス) id: 9045134b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年9月23日 15時
