13話 ページ22
私の家に連れて帰ってくれたおーちゃんは、勝手知ったるで、冷蔵庫から私が年中作ってる麦茶をコップに注ぐと、飲みなって渡してくれた。
それを飲んで、ソファの背に身を沈める。まだ頭がぼーっとする。
おーちゃんは新年会の帰り際、二次会に誘われたのを断って一人で歩いて帰ろうとしていたところ、店の近くで男三人にタクシーに乗せられようとしている私を見つけ、男達が誰かよく見えなかったせいで、連れ去られているって誤解して、一瞬心臓が止まるかと思ったらしい。
翔君から家の鍵と財布を預かって、代わりに送ってくれて今に至ってる。
｢風呂一人で入れる？｣
｢･･････明日にする｣
｢んじゃ着替える？パジャマどこだ。あ、風呂場だったっけ｣
かいがいしく着替えの用意をしてくれて、ついでに化粧もシートで拭き取ってくれて、そのあと歯ブラシを持たされて思わず呟いた。
｢お母さん･･････｣
｢じゃねぇわ！｣
怒鳴られたけど、声が明るく笑ってたからほっとして、安心したらまた涙が出た。
私の大好きなおーちゃんが目の前にいる。私の家で、私のお世話を文句言いながらもしてくれている。
｢ワイン、これから飲むの禁止な｣
怒られても幸せで。
｢着替えられる？ ･･････脱がしていい？｣
ちょっと困ったように私の足元にヤンキー座りして見上げて来るおーちゃんに、私はお願いした。
｢･･････抱いて欲しい｣
｢抱っこすんの？｣
私がフルフル首を横に振ったら、おーちゃんは顎を引いて吐息した。
｢Aの誘い、嬉しいけど今日は体調悪いからやめとこ｣
｢やだ･･････｣
私が駄々をこねたら、おーちゃんは眉根を寄せた。
｢･････あのさ、おいら怒ってんの。心配かけたのわかってる？｣
｢･･････うん｣
｢今やったら酷くするぜ。優しくとか、できねぇし。･･････やだろ？｣
首を横にふった。
｢やじゃない。おーちゃんがしてくれないなら、私がする。･･････押し倒す｣
すると盛大にため息をつかれた。
｢酔っ払いが｣
言って、隣に座って肩を引き寄せられる。
おーちゃんの肩に頭を乗せて、目を閉じた。
落ち着ける場所･･････。
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ao(プロフ) - hanauma528さん» hanauma528様、待ってくださってありがとうございます。一話完結型で、悲しいまま｢続く｣にならない作品なので、安心して作れるから好きな作品です。すぐに次も更新しますから、待ってて下さいね〜。お言葉励みになりました。ありがとうございました！ (2019年2月22日 8時) (
レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
hanauma528(プロフ) - aoさん、本当に本当に お待ちしてました。大ちゃんと、主人公ちゃんのやり取りが、ほのぼのして萌えます。次のお話も心待ちにしてます。 (2019年2月22日 7時) (レス) id: e5de554dbb (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - megu.さん» 聞かせて下さいって言ってくださるのを見ただけで、救われた心地になりました。素敵な言葉をありがとうございます。私も夜のラララは好きな回です。音楽用語選び、いつも楽しいんですよ。マイペースで頑張りますね。ほんとにあたたかい言葉をありがとうございました。 (2019年2月21日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - megu.さん» megu.様こんにちは。コメントいただけて嬉しいです。愛を奏でるの創作が近頃すすんでます。お陰でまた作品作りが進みそうです。ありがとうございます！ (2019年2月21日 8時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
megu.(プロフ) - 今さらですが、このお話のタイトル、音楽用語が入ってますね♪『夜のラララ』は、趣があって萌えました(･∀･`)。いろいろお伝えしたいことはありますが、智くんは、妄想もリアルも素敵です♪あお様のペースでこれからも…。できたら、思うこと、聞かせてくださいね。m(__)m (2019年2月20日 19時) (携帯から) (レス) id: 9045134b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年9月23日 15時
