12 熱い奴 ページ12
しばらくの後に大野さんはくすぐったそうに笑った。
｢どうしてAは俺んとこに来たんだろ｣
｢え･･････？｣
｢こんな痒いところに手が届く奴、出会ったことない。最初うちに来たとき、同期に羨ましがられたもん。おまえにはもったいないって｣
｢その方は岡田さんですか？｣
｢すげぇね。何でも分かんじゃん｣
｢私の方がもったいないと思っていますよ。大野さんのような一流の下で勉強できて、だから頑張ってここまで来れたんです。私、大野さんのためならなんだってしますよ。この思いは永久不滅です。どんな汚れ仕事でもやってのけます！｣
受付嬢が別れたくないってしがみついて来たら、警察に厄介になったとしても、どんな手段を使ってでも別れさせてあげます。
｢A｣
名前を呼ばれてはっとした。
慌てて頭を下げる。
｢ごめんなさいっ！｣
熱くなりすぎるの、悪いくせなのに。わかってるのにいつも私ってやつは･･････。
褒められたり持ち上げられたりするのが苦手な大野さんなのに。
･･････もしかして私のこと鬱陶しいとか思ってる？
だったら私、大野さんの目の前から消え･･････たくない。
想像しただけで泣きたくなった。
すると、私の肩にポンと手が乗った。
びっくりして大野さんを見ると、ふわって笑ってた。
｢力入りすぎ。こんな立派になったのに相変わらずやね。･･････面白いけど。フフ｣
瞬間心に光が射した。
大野さんの笑顔は私の太陽だ。
大野さんが笑ってくれるのならどんな道化師にでもなってやろう。
意気込んでいたら、また肩を叩かれる。
｢だから力抜けって｣
｢わ、分かってはいるんですが難しくて｣
｢肩でも揉んでやろうか？ 俺上手いぜ？｣
馬鹿な私の脳内が、勝手に、揉んでやろうか？上手いぜってところだけを切り取って、ピンクに染める。
･･････そう言えばもう7年もご無沙汰だもんな。
欲求不満なのかな。
はぁーって溜め息を着いていたら、ふいに大野さんが足を止めた。
前方を見て、初夏なのに、まるで凍てつく真冬の吹雪きを見ているような眼差し。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 668人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - ようちんさん» ようちん様。大野さんの感じ気にっていただけて嬉しいです。いつも言い回しを考えるときは一回頭の中で映像に喋って貰っています。より萌えていただくために。ありがとうございました〜。 (2018年10月1日 10時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - けいこさん» けいこ様こんにちはー。雄になった課長！よだれ出ますよね!?ありがとうございました！ (2018年10月1日 10時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 夏みかんさん» 夏みかん様、最後までお読みいただけたでしょうか。私も掃除のおばちゃんでいいからこの会社に入りたいです。ありがとうございました！ (2018年10月1日 10時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ようちん(プロフ) - はじめまして！まだ読み始めたばかりですがテンポもよくて面白いです！大野さんの感じ大好き〜(*^^*)絡んでくるニノちゃんもいいですね〜！これからも楽しませて頂きます！頑張って下さい。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: 1b12d1d40f (このIDを非表示/違反報告)
けいこ - 一気に読みましたー！もうこの会社最高っ！あぁそして雄になった大野課長ーーー！ (2018年9月29日 20時) (レス) id: 7fc0729789 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお
| 作成日時：2018年9月11日 13時
