1 七回目の春 ページ1
大野さんを好きだと自覚してから、7回目の春を迎えた。
いつもと同じ春。
だから、いつもと同じように過ぎていくものだとばかり思っていた。
奇跡なんて起きやしないこと、もうこの7年で十分理解していたから。
神様なんていないこと、身に染みて分かっていたから。
一流と呼ばれる大手建設メーカーに入社して8年。
｢社舎頼(しゃしゃらい)さん、この前の資料戻してくれる？｣
うちのチームメンバーで紅一点の社舎頼京子。声を掛けたら一拍遅れて机の上を探し始めた。
ちなみに紅一点の中に私は含めない。誰も私のことなんて紅とは認識してないし。
しばらくしてから立ち上がって私のもとにやって来て言った。
｢ごめんなさぁいチーフ。なくしちゃったみたいです｣
一拍遅れたときからそう言うだろうことは分かっていた。
綺麗にみがかれたネイル、流行のラインの可愛い系のスーツ。盛られた胸。
そしてこのアホそうな笑顔。
｢社舎頼京子。あんた一回海の底に沈めてやろうか｣
｢私泳げますよ？｣
｢あんたにも出来ることがあったのね｣
｢走りも早いですよ？ チーフは、遅そうですよね？｣
瞬間、持っていたボールペンがぐにゃりと曲がった。
｢高校時代、カモシカのAと呼ばれたこの私を遅そうとはいったい何事よ!? 今すぐ表に出なさい！ 競争しようじゃないか！ 誰かピストル持って来い！｣
慌てて飛んで来る部下の二宮と相葉。
｢わーっ！絶対そのピストルで京子ちゃんのこと撃つつもりでしょ。Aさん絶対それだめ！｣
立ち上がろうとしていた私の肩を後ろから押さえる相葉と、曲がったボールペンを指でつまんでため息をつく二宮。
｢Aさん危なかったね。俺があげたこのクネクネボールペンじゃなかったら、またボールペン折って、社内で珍獣扱いされるとこだったからね？｣
言って、曲がったボールペンをまっすぐ伸ばして私に握り直させた。
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ao(プロフ) - ようちんさん» ようちん様。大野さんの感じ気にっていただけて嬉しいです。いつも言い回しを考えるときは一回頭の中で映像に喋って貰っています。より萌えていただくために。ありがとうございました〜。 (2018年10月1日 10時) (
レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - けいこさん» けいこ様こんにちはー。雄になった課長！よだれ出ますよね!?ありがとうございました！ (2018年10月1日 10時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 夏みかんさん» 夏みかん様、最後までお読みいただけたでしょうか。私も掃除のおばちゃんでいいからこの会社に入りたいです。ありがとうございました！ (2018年10月1日 10時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ようちん(プロフ) - はじめまして！まだ読み始めたばかりですがテンポもよくて面白いです！大野さんの感じ大好き〜(*^^*)絡んでくるニノちゃんもいいですね〜！これからも楽しませて頂きます！頑張って下さい。 (2018年9月30日 8時) (レス) id: 1b12d1d40f (このIDを非表示/違反報告)
けいこ - 一気に読みましたー！もうこの会社最高っ！あぁそして雄になった大野課長ーーー！ (2018年9月29日 20時) (レス) id: 7fc0729789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年9月11日 13時
