6話 ページ39
そっと後ろに倒されてソファに沈められても、ちっとも怖くなくて、足の間に入り込んできたおーちゃんの膝が愛しかった。
好き過ぎて、溢れ返る思いを溜息で吐き出したら、思いがけず甘い声が漏れてしまって、それを聞いたおーちゃんの喉仏が大きく動いた。
耳元で囁かれる。
｢･･････したくなった？｣
｢･････なった｣
おーちゃんは私のオデコにキスをして、細く長く溜息を吐き出した。
｢俺も。今日はここまでのつもりじゃなかったんだけど。明後日の夜に誘うつもりだったのに｣
｢･･････そうだったの？｣
｢今でもい？｣
｢いいよ。･････嬉しい｣
くしゃっと照れ臭そうに笑ったのは一瞬で、スイッチの入ったおーちゃんは野生味を帯びた色男となり、私を特徴的な綺麗な指で甘い世界に誘った。
でも、ほどなくしてキンコーンと鳴る家のチャイム。
動きの止まったおーちゃんと、息をのむ私。
次いで、ドンドンドンと壊れそうな程ドアが叩かれ出して、二人で目を合わせた。
おーちゃんはやるせなさそうな溜息を吐いた。
｢･･････無視したい｣
｢･････わかるけど、きっとこのままだとドア壊れるよ？｣
ドアの外では、おい、智！さとしー！って、おーちゃんの名前をよく通る声がひたすら呼んでいる。
おーちゃんは無言で起き上がった。
おーちゃんの方はまだ一つも服を脱いでなかったけど、私は半分以上脱げてて、慌てて服を身につけた。
おーちゃんはそんな私を見て何度もため息をついていたけれど、服装を整え終わってホッと吐息する私を片腕で引き寄せると、こめかみに軽くキスして｢途中まででごめん｣って掠れた声で耳に吹き込んだ。まだ身体の芯に熱が灯りっぱなしだった私は、そのあまりのセクシーさに呆気なく腰が砕けてしまった。
それを伝えると、苦笑したおーちゃんは、代わりに立ち上がって玄関に向かって行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 598人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - 765proharukavaiさん» 765proharukavai様はじめまして。コメントありがとうございます。ラブラブ具合はいかがでしょうか。お楽しみ頂けてたら嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - あいさん» あい様ありがとうございます！ぎこちなさが残る二人、うれしはずかしで、いい時期ですよね。慣れるとかなく、このままの二人でお送りできればなぁと思います。よろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - はるさん» はる様こんにちはー。ラブラブな二人、お楽しみいただけてますか？これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
765proharukavai(プロフ) - 初めてコメントをさせて頂いています。いつも楽しみにして読ませて頂いております。純粋でほのぼのとしたふたりの雰囲気が、なんだかほっこりとしてとっても和みます！これからのラブラブ具合が楽しみです!!次の更新を楽しみに待ってまーす。 (2018年9月5日 16時) (レス) id: 42941b0f76 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - お話も現実も台風一過で幸せ気分です。まだぎこちなさが残る微妙な距離感の二人が可愛らしいですねー☆ (2018年9月5日 12時) (レス) id: cdabb1149e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお
| 作成日時：2018年8月28日 15時
