4話 ページ4
さ来週の月曜日に約束をして、ドキドキとその日を待つ日々はとても楽しかった。
10月になって、学内は銀杏並木が色づき始め、薄着だった夏よりも、校内を歩く学生の服装も色とりどりで、お洒落に磨きがかかり出す。
金曜日、お昼過ぎにおーちゃんが食堂にやってきて、その隣には以前台風の日に挨拶をした友達もいた。
｢おばちゃん、Ｂ定食ね｣
私だって気付かない男の子。
それはそうなんだけど、ならばもういっそ、最後まで気付かないで欲しいと思って、おーちゃんに対しても隣人のAではなく、食堂のおばちゃんを決めこんだ。
｢はい。おまちください。こちらの方は？｣
素知らぬ顔でおーちゃんの食券を手に取る。
｢あ、カレーライス･････｣
｢はい！カレーライスね。ありがとうございます！｣
男の子が言った。
｢おばちゃん今日も元気いいねぇ｣
｢ありがとね！｣
瞬間、ブハッて吹き出したおーちゃん。
私の他人の素振りがツボにはまったらしい。
私もおかしくなってきて、笑いたいのを必死に堪えて準備した。
｢おーちゃんどうしたんだよ。どこに笑いがころがってたんだ？｣
男の子が聞いても、腹いてーって言いながらずっと笑ってるおーちゃん。最後には出来上がった料理をお盆に乗せて移動しながら、死にそうって言いつつまだ笑っていた。
私は滅多に服なんて買わないんだけど、おーちゃんと出掛けるのが夜なら新しい羽織りが欲しいなと思って、厚めのカーディガンを買いに出掛けた土曜日。
その途中、駅前でシャッターの閉められたかつての喫茶店を見て、いつものように溜息を一つ。
でも、貼紙が貼ってあるのに気がついて、近寄ってそれを確認して、私は愕然とした。
いつか、この日が来るだろうことは想像していたけれど、なかなかその日が来なかったから油断していた。
シャッターに貼られていたのは、｢貸店舗｣の文字と、どこかの不動産会社の名前。
手が震える。
とうとうこの店が人手に渡る時が来たのだ。
言い知れない寂しさと悲しみにその場から動けず、じっと貼紙を見続けた。
やがて雨が降り出してきて、余計に店の軒下から出られなくなって、暫くそこで物思いに耽っていると、電話が鳴った。
翔君からだった。
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ao(プロフ) - 765proharukavaiさん» 765proharukavai様はじめまして。コメントありがとうございます。ラブラブ具合はいかがでしょうか。お楽しみ頂けてたら嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - あいさん» あい様ありがとうございます！ぎこちなさが残る二人、うれしはずかしで、いい時期ですよね。慣れるとかなく、このままの二人でお送りできればなぁと思います。よろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - はるさん» はる様こんにちはー。ラブラブな二人、お楽しみいただけてますか？これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
765proharukavai(プロフ) - 初めてコメントをさせて頂いています。いつも楽しみにして読ませて頂いております。純粋でほのぼのとしたふたりの雰囲気が、なんだかほっこりとしてとっても和みます！これからのラブラブ具合が楽しみです!!次の更新を楽しみに待ってまーす。 (2018年9月5日 16時) (レス) id: 42941b0f76 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - お話も現実も台風一過で幸せ気分です。まだぎこちなさが残る微妙な距離感の二人が可愛らしいですねー☆ (2018年9月5日 12時) (レス) id: cdabb1149e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年8月28日 15時
