63 合格発表 ページ14
クリスマスは4歳になった双子と今年は奮発して三段の大きなケーキを作ってお祝いした。
明けた元旦、マキちゃんと二人で合格祈願に行くはずが、いつの間にかグループデートのようになっていて、6人の男女で神社に行った。
そこで一人の男の子から告白されて、断ったら、じゃあ手だけ繋いでって頼まれて、その悲壮感に自分を重ねて、心を打たれて手を差し出しかけたら、その手を背後から叩かれた。振り返ったら怖い顔をした松本先生がいて、凄く驚いた。男の子は松本先生のイケメン具合に驚いてすぐに引き下がった。
無言の松本先生の迫力に圧されて私が泣いてしまったら、どこからか出て来た二宮先生と櫻井先生が慰めてくれた。
先生達が乗ってきた車に拉致された私。マキちゃんへの断りの電話を切ったら、後部座席で隣に座っていた松本先生が私の手をするりと握ってきた。
｢弱ってるんならこっちにしとけ。他の男に寄り掛かろうとするな｣
そんなつもりはなかった。同級生の男の子に寄り掛かって支えて貰いたいだなんて思ったことない。ただ、これが自分だったらって思ったら可哀相だったから。私がそう言うと、松本先生は呆れた顔でそれが弱ってるって言うんだって教えてくれた。
松本先生の手は暖かかった。
でも、大野先生も誰かとこうして繋いでいるんだろうかと思うと苦しくて、その手を逃げるように離したけど、松本先生は怒らず、予想していたみたいに優しく笑っていた。
･･････大野先生の柔らかな笑顔に会いたいと思ったら、涙が出て、止まらなくなった。
大野先生のことで泣いたのは、先生と最後に電話をして以来のことだった。もう八ヶ月も前のことになる。
涙はとめどなく溢れて、みっともない程に泣いてしまったけれど、三人はずっと黙ってて、交互にハンカチを貸してくれた。
たくさん泣いてどこかすっきりした私は、そこからまた受験に向かって邁進した。いつの間にか18歳になっていた。
2月に合格を貰って、私が１番に向かったのは相葉先生のところだった。
久しぶりの病院は、相変わらず人気で、午前診終了の時間になってもなかなかお客さんが引かなかった。待って、ようやく12時半頃にクローズの札がかかって、先生に会えた。久しぶりにやってきた私を相変わらず優しい笑みで迎えてくれた相葉先生。合格したことを伝えると、先生は涙ぐんで喜んでくれて、私もちょっと泣いてしまった。
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ao(プロフ) - cocoroさん» cocoro様、ありがとうございます。とっても励みになるお言葉、これからもこのスタイルで頑張っていいんだなって勇気を貰いました。ありがとうございました。新作もほんわか度は上がってますので、遊びに来てくださいね。 (2018年8月28日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
cocoro(プロフ) - aoさん。いつも智君のお話ありがとうございます。私はaoさんの創るお話が大好きです。やさしくて芯の強い登場人物達。お互いを思い合っている温かいお話に癒されています。また楽しみにしています。 (2018年8月25日 14時) (レス) id: 0e48c0adf3 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えみいさん» えみい様。コメントありがとうございます。今回で終了しましたが、また新作をご用意していますので、そちらにも遊びに来て下さいね。よろしくお願いいたします。 (2018年8月24日 6時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
えみい(プロフ) - 更新頑張ってください！！ (2018年8月23日 14時) (レス) id: 91c147309d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年7月28日 23時
