62 寸前 ページ13
｢櫻井さん！！！｣
唇が触れる直前でドアを勢いよく開け放って春香ちゃんが飛び込んできた。
瞬間、櫻井さんのかけた魔法が一瞬にして解けて、慌てて離れて、ダッシュした後みたいに息をつく。
｢あー！やっぱりみんなの言ってた通りだった！櫻井さん危ない！ずるい！酷い！｣
声高に叫んで駆け寄ってきた春香ちゃんは、座ってる私の足元に跪くと、何故か腰に抱き着いてきた。
｢良かった〜！Aさん無事だった〜。もう櫻井さんの毒牙にかかってたらどうしようって、私、気が気じゃなくって！｣
え？どういうこと？
私の膝に頬をこすりつける春香ちゃん。
スカートの裾がまくれそうになって慌てて裾を下げた。
そんな春香ちゃんの後頭部を遠慮なく叩く櫻井さん。
｢何で来るんだよ！おまえタイミング悪すぎだろ!?｣
｢何言ってるんですか！ベストタイミングですよ！何勝手にチューしようとしてるんですか。みんなが言ってる通りでしたよ！｣
｢ジャンケンに勝ったのは俺なんだからな！俺達はいつも決めごとはジャンケンなんだよ｣
｢ジャンケンに勝てば何してもいいんですか！｣
｢ここに誰が来ても同じことしてる！勝った時点で俺の天下なの！｣
｢そんなわけないでしょ！だいたい、昨日は家に帰ってここにいなかった櫻井さんが説明しに来るっておかしいですよ｣
｢客観的に話せる俺が適任なんですー｣
子供みたいな言い合いに呆れて口がはさめない。
｢私はAさんに話があるんです。櫻井さんちょっと出てて貰えます？｣
｢ここで話せよ。･････Aが危ねぇ｣
｢あー！勝手に名前で呼んでるし！みんなに言ってやろう！｣
｢おまえだって呼んでるじゃねぇか｣
････何の言い合いだろう。
よくわからなかったけれど、私は春香ちゃんに言わなければならないことがあった。
｢春香ちゃん、こっち来て｣
膝から身を起こして貰って、櫻井さんの反対側に座って貰う。
春香ちゃん、なんだか頬が紅潮してない？目がきらきらしてるかも？
･･････私の手を両手で握ってるのはなぜ？
｢その前に、私に言わせて下さい｣
文句を言われるのかなって一瞬思った。
私情を交えて春香ちゃんのことで社長に食ってかかった私。勝手に利用しないでって、言われても仕方ないことをしたから。
･････でも、春香ちゃんにそんな様子はなくて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 755人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい(プロフ) - 謎が解けて良かったです。まだ誰か一人を選ぶ段階じゃいだろうなと思っていたので納得です！ここから！ワクワクしながら続編に行きたいです^_^楽しみにしてます〜！ (2018年7月25日 12時) (
レス) id: cdabb1149e (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ほっそんさん» ほっそん様、ありがとうございます。潤君、人気者ですね！私も潤君だったら絶対素敵で刺激的な恋愛が出来るんだろうなって気がします。飽きない感じ。更新頑張りますので、ちょっとだけ待って下さいね。 (2018年7月25日 9時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 凪さん» 凪様、ご感想ありがとうございます。潤君！カッコイイですよねぇ。男前発言がさりげなく決まるキャラなので書いてていつもノリノリになります。さて、いったい誰でしょう。近日中に更新しますのでお楽しみに。ありがとうございました。 (2018年7月25日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ほっそん(プロフ) - すっごくすっごく楽しく拝見させて頂きました(^^)あの人？誰ダレ！？って思いながら、続編楽しみにしております。私だったら潤くんです(笑) (2018年7月23日 23時) (レス) id: 8b8a666a2a (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - すごく楽しく読ませていただきました。誰とくっつくか続きを楽しみにしています。あの人かあの人かなぁ…と予想しつつ潤くんだったらいいなぁなんて思ってます(笑) (2018年7月23日 18時) (レス) id: 9a4f257d51 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお
| 作成日時：2018年7月11日 6時
