37 対峙 ページ37
席を立った私を、斗真が追いかけてきた。
トイレから出たら、壁にもたれて待っていた。
｢今日は急に来てごめん｣
｢･･････ううん｣
｢このあと、Aの家に行ってもいい？･･････話したいことがあって｣
一瞬躊躇ったけれど、頷いた。逃げる時間はもう終わりにしなければと、腹をくくった。
｢良かった。･･････ありがとう。でも、一つだけ先に確認させて。･････俺達ってラブラブなの？｣
瞬時に顔が熱くなる。
さっき、櫻井さんが言ってた言葉を斗真はちゃんと聞いてたんだ。
｢みんなにそう言ってくれてんの？ ･････なら、それがAの気持ちだと思っていい？ この指輪の相手より、俺のことまだ想ってるって、思ってもいいのか？｣
斗真は真剣だった。握られた手が熱い。
｢･･････別れ話をしに来たんじゃなかったの？｣
｢どうして？｣
｢だって、もう何ヶ月も喋ってなかったし。･･････自然消滅してるのかなって思ってた｣
瞬間、握られた手を強く引き寄せられた。
｢痛っ｣
｢俺達5年以上付き合って来たんだぞ!? そんな、経った数ヶ月で自然消滅するような仲じゃないだろ？ それともAはそうしたかったって言うのか？ じゃあどうしてみんなにラブラブだって言ってんだよ。･･････この指輪はやっぱり新しい恋人のものなのか？･･････もしかして、あの5人の中にこの指輪を贈った奴がいるのか？｣
掴まれた手首がギリギリと痛かった。
こんなに熱い斗真を見るのは初めてで、私はどうしていいのかわからずうろたえることしか出来なかった。
斗真、どうしてこんなに必死なの？
別れるつもりじゃなかったってこと？
･･････まだ私のことが好きだって言うの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 775人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - ねこっぱちさん» ねこっぱち様。レス遅くなってしまいました。失礼しました。コメントありがとうございます。今も読んで下さってますでしょうか。社長編起きに召しました？私もここの事務員なりたいです！これからもよろしくお願いいたします。 (2018年8月2日 15時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこっぱち(プロフ) - お気に入り1番目Σ(ﾟ艸ﾟ〃)思わずコメントしてしまいました！いつも楽しく読ませて頂いてます。この代理店事務員もう1人雇ってくれないかしら〜♪ (2018年7月13日 14時) (レス) id: 8896252b64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あお
| 作成日時：2018年7月11日 5時
