19 煩いんだもん ページ19
｢じゃーさ、もうチューでもしちゃえば？｣
｢はぁ!?｣
これは私じゃなくて櫻井さん。私は驚きすぎて声が出なかった。
｢だって、煩いんだもん。仕事に集中できない。仲直りする時は握手かチューでしょ？｣
｢智君、それ幼稚園児か新婚さんかのどっちかだから｣
櫻井さんのツッコミに、大野さんは唇を尖らせて言った。
｢二人、似たようなもんでしょ？｣
その言葉に息をのむ櫻井さんと私。
確かに幼稚園児みたいだったかも？
櫻井さんの方は、社長の言葉になぜか赤面して照れていた。
肩の力の抜けた私は、恥ずかしくなってちゃんと頭を下げた。
｢危ないことをしてごめんなさい。今度もし見つけたら、先に皆さんを呼ぶようにします。ご心配をおかけしてすみませんでした｣
｢いーよ、いーよ。ありがとね、Aちゃんありがと！｣
相葉さんが私の肩をバンバン叩きながら言った。
でも私はびっくり。急に呼ばれたことのない呼び方で呼ばれたから目を見張った。
いつもみんな私のことは苗字で呼んで来るのに、いきなり名前？あれ？
｢雅紀君？｣
二宮さんが静かに、でも咎めるようにその名を呼べば、相葉さんははっとした顔になって、ヤバいって呟いたら、まるで漫画みたいに抜き足差し足でそーっと自分のデスクに戻って行った。
･･････何だったんだろう。ちょっと嬉しかったのにな。みんなの仲間になれたみたいで。
みんなはお互いのことをニックネームで呼ぶけれど、私のことはいつまでも苗字のまま。
やっぱり私はまだまだ部外者なのかな･･････。
｢お疲れ様でした｣
夜の8時。いつもより残業したけど、みんなはこれからだ。
｢夜食買って来ましょうか？｣
ポットのお湯は満タンにしておいたし、冷蔵庫にすぐに食べられる味卵や軽食を作って入れておいた。おやつも用意してある。
自分だけ先に帰る後ろめたさで、後ろ髪引かれる思いで何か言い付けてくれないかなって社長に尋ねたんだけど、何もしないでいいから気をつけて帰りなって言われちゃった。
しかも。
｢遅くなったからタクシーで帰って｣
って言われて、お札を掴まされる始末。
ポケットマネーだ。
｢まだ8時ですよ？｣
全然歩いて帰れるのにって思ったのに、社長は仕事に没頭してしまい、もう返事をしてくれなかった。
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ao(プロフ) - ねこっぱちさん» ねこっぱち様。レス遅くなってしまいました。失礼しました。コメントありがとうございます。今も読んで下さってますでしょうか。社長編起きに召しました？私もここの事務員なりたいです！これからもよろしくお願いいたします。 (2018年8月2日 15時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこっぱち(プロフ) - お気に入り1番目Σ(ﾟ艸ﾟ〃)思わずコメントしてしまいました！いつも楽しく読ませて頂いてます。この代理店事務員もう1人雇ってくれないかしら〜♪ (2018年7月13日 14時) (レス) id: 8896252b64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年7月11日 5時
