17 盗撮 ページ17
私の勘は当たっていた。
資料片手に携帯カメラで何かを撮影しているその後ろ姿に近づく。送信される前に取り上げなければならない。
｢お茶ですか？｣
声をかけたら少しの間の後、にっこり笑って振り返った。私もにっこり笑い返す。
ここの下請さんとは古い付き合いだったなって思い出しながら、近付いた。
｢飲まれます？ 私ご用意しますよ｣
｢あ、じゃあお願いしようかな｣
｢私、ハーブティー煎れるの得意でぇ｣
ちょっと軽い感じで言って、背を向ける。
｢じゃあそれもらおうかな｣
ほっとした声とは反対の、携帯をいじる素早い動作に確信を得た私は、いきなり振り返ってその手を掴むと無理矢理覗き込んだ。
｢ちょっ、おまえ！｣
添付ファイル付きの画像を送ろうとしてるのが目に入って、私は覚悟を決めると焦った相手の顔を見ながら紅茶のカップの乗ったお盆ごと床に落とした。
ガチャンと大きな音を立てて落ちたら、入口に幾人か集まってきて、そこに櫻井さんがいるのを見つけると目配せで合図する。
私の片手は相手の手首を掴んだまま。
｢ごめんなさい。私がカップを落としてしまって、この方に怪我をさせてしまったかもしれなくて｣
お願い、気づいてって思いながら櫻井さんを見つめてたら、櫻井さんはやっぱり頭のいい人だった。
｢みなさんすみません。うちの事務員がおっちょこちょいで。私が後はやりますからお戻り下さい。ああ、でも怪我したんなら稲垣さんに謝らなきゃ。呼んできて貰えます？｣
櫻井さんが呼んだのは下請の責任者の人だった。
ほっとして肩の力を抜く。
でも櫻井さんは私の横を通りすぎ様、怖い顔で馬鹿野郎って言って舌打ちした。
･･････怒ってる･････。
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ao(プロフ) - ねこっぱちさん» ねこっぱち様。レス遅くなってしまいました。失礼しました。コメントありがとうございます。今も読んで下さってますでしょうか。社長編起きに召しました？私もここの事務員なりたいです！これからもよろしくお願いいたします。 (2018年8月2日 15時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ねこっぱち(プロフ) - お気に入り1番目Σ(ﾟ艸ﾟ〃)思わずコメントしてしまいました！いつも楽しく読ませて頂いてます。この代理店事務員もう1人雇ってくれないかしら〜♪ (2018年7月13日 14時) (レス) id: 8896252b64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年7月11日 5時
