102 プレゼント ページ6
｢そういえばさ、誕生日プレゼント俺だけ渡してねえの。何か欲しいものある？｣
｢えー？いいよ、そんなの。あの日来てくれただけで十分だよ｣
潤の店で開いてくれた誕生会。
思い返してたら、智が急に吹き出したから、私も笑った。
･･････智と言い合いして飛び出したあの夜。
｢まともに祝えてなかったじゃん｣
｢ふふ。そうだった。･･････でも、嬉しかったよ？智の言ってくれた言葉も嬉しかったし。あの時は飛び出しちゃったけど、完全に正論だった。･･････しっぽ巻いて逃げてる自分が恥ずかしくて、あの場にいられなかったの。ごめんね？｣
｢･･････でも帰るんだよね？｣
｢･･････うん｣
頷く自分が嫌だった。智、呆れてないかなってちらりと見たら、何を考えてるのかわからない顔で外を見てた。
波音が聞こえる。
｢･･････あの時、話が途中だったけど｣
｢え？｣
｢俺より夕子の気持ちが分かるのはやっぱり小説家だから？｣
･････あの時？
ああ、あれだね。夕子のことあまりしらないよねって半笑いで言われて傷ついた時のことだ。まるで、俺達のことに部外者が口を出すなって言われているようで辛かった。
でも、それだって正論だったから、私が間違ってた。
｢あいつと付き合い長いけど、わかってなかったこと多いんだって、反省したもん｣
｢え･･････怒ってたんじゃないの？｣
｢怒る？ なんで？｣
きょとんとしてる智。
･･････あれ？もしかして私は勘違いしてた？
｢確かに俺がいない時の方がしっかりしてるわ。･･････店やめるって決めたし｣
｢そうなんだ･････｣
｢うん。辞めて料理作んの好きだから、当面松潤のところで働くことに決めたんだって。松潤もいいって。･･････今日のことといい、松潤ってすげえ、やっぱり。いい男だもん｣
智もいい男だしって言いたかったけど、今の智に慰めはいらない気がして、飲み込んだ。
･･････その代わり。
｢智｣
｢ん？｣
優しい声。たった一音なのに私の心を震えさせる。
｢誕生日プレゼントくれる？｣
｢いいよ？ 何欲しいの｣
｢智｣
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ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、最後のおまけ更新しましたよ。喜んでいただけたら嬉しいな。無事完結しました。本当にありがとうございました。 (2018年7月3日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 小春柴犬さん» 小春柴犬様。最後のおまけを更新しました。これまでコメントをたくさん下さって、本当に嬉しかったです。元気いっぱい貰いました。ありがとうございました！ (2018年7月3日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - あおさんこんにちは!おまけ追加ありがとうございます!フェロモンムンムンな2人の同棲生活覗けて嬉しいです(*´艸｀*)豚汁作って貰えて羨ましいです（笑）少し久々に来たらおまけ増えててもう興奮しちゃいました! (2018年6月29日 11時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - おまけの追加！！わ〜ありがとうございます(*ﾉωﾉ)ｷｬ何度でも大歓迎です。幸せ分けてもらってまーす！嬉しい！！ (2018年6月28日 10時) (レス) id: 74e877f3a6 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、嬉しいコメント、本当にありがとうございます。嬉しくって載せようか迷ってたお話、さっきアップさせちゃいました（笑）。喜んでいただけたら幸いです。ありがとうございました。 (2018年6月28日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年5月25日 14時
