桜1 ページ41
智と暮らしはじめて四ヶ月が過ぎた。
智の買ったこの家の庭に桜の木があることを知ったのはお正月を明けてからだった。
｢わぁ･････。もうすぐ咲くな｣
膨らんだ蕾。
ここのところ暖かいから、多分、明日か明後日には咲くかな。
でも、明日は出版社の記念パーティがあって、参加しないといけないから咲く瞬間は見届けられないかもしれない。
できればここで座ってずっと観察していたいくらいだったんだけど。
その時チャイムが鳴って、庭から玄関に回ったら、智のマネージャーの風間君が来てくれていたからそのまま声を掛けた。
｢こんにちは｣
びっくりした顔でこちらを振り返る風間君。
風間君は私と同じ年齢で、智のお世話になっている画廊の次男坊。学生結婚をした情熱家で、一番上の子がもう小学5年生の、三人の子持ちだった。
｢Aさん、こんにちは。智君どうしてます？｣
智がデビューするまえからの知り合いである風間君は、智のことを、智君と、親しみを込めて呼んでいる。人の前では大野先生になるけれど。
｢今日はずっとこもってますよ｣
｢何体目だろ。間に合うのかな｣
現在智は次の個展に向けて目玉になる作品を手がけていて、それはフィギュアを100体作るというもの。企業の99周年とコラボしていて、翌年の100周年の時に100体目を披露することになっている。
作っているものが小さいせいか、近頃は作業場ではなく家をアトリエにして作ることが多くなり、私が風間君と会う機会もおのずと増えた。
｢今部屋ですか？｣
｢そうですね･････。お昼を食べてから、もう3時間は篭ってるかな｣
｢じゃあ、もうすぐ一旦出てきますね。それまで待たせてもらってもいいですか？｣
｢もちろん｣
庭から入って貰って、テラスに案内する。
4月になって過ごしやすくなったから、最近の私のお気に入りの場所だった。
紅茶とお菓子を用意してテラスに出たら、風間君が桜の木を見上げていた。
｢もうすぐ咲きますね｣
｢そうなの｣
嬉しくって、自然と笑ってしまう。
｢この庭、Aさんが来てから随分明るくなりましたよね｣
｢そう？ 季節が冬だったせいじゃない？ 植木の手入れなんてしたことなかったし、植物を育てるのも小学生以来だから、今格闘中なの｣
庭に植えたチューリップは元気よく伸びすぎてちょっと傾いでる。
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ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、最後のおまけ更新しましたよ。喜んでいただけたら嬉しいな。無事完結しました。本当にありがとうございました。 (2018年7月3日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 小春柴犬さん» 小春柴犬様。最後のおまけを更新しました。これまでコメントをたくさん下さって、本当に嬉しかったです。元気いっぱい貰いました。ありがとうございました！ (2018年7月3日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - あおさんこんにちは!おまけ追加ありがとうございます!フェロモンムンムンな2人の同棲生活覗けて嬉しいです(*´艸｀*)豚汁作って貰えて羨ましいです（笑）少し久々に来たらおまけ増えててもう興奮しちゃいました! (2018年6月29日 11時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - おまけの追加！！わ〜ありがとうございます(*ﾉωﾉ)ｷｬ何度でも大歓迎です。幸せ分けてもらってまーす！嬉しい！！ (2018年6月28日 10時) (レス) id: 74e877f3a6 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、嬉しいコメント、本当にありがとうございます。嬉しくって載せようか迷ってたお話、さっきアップさせちゃいました（笑）。喜んでいただけたら幸いです。ありがとうございました。 (2018年6月28日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年5月25日 14時
