115 洋館 ページ19
何が起こっているんだろうって思っていたら、駅と海の中間くらいのところにある、歩いて15分くらいの一軒家の前で立ち止まった。
小高い住宅街の端にある、青い屋根の白い洋館。
｢ここは？｣
返事はなくて、呼び鈴も押さずに門の中に入って行くのをおっかなびっくり追って入ったら、ズボンのポケットから鍵を取り出し、遠慮なく突っ込んでドアを開ける智。
瞬間、香ってきた優しい匂いと絵の具の香りに、直感的に気がついた。
｢ここ、智の家･･････？｣
｢そう。大野邸｣
｢誰と住んでるの？｣
｢･･････一人だし｣
ちょっと不機嫌になっちゃった。
｢大野邸って言うからご両親も一緒なのかと思ったの｣
すると、ほっとしたように笑った。
｢なんだ、そっちか。実家は今まで通りの場所にある。入って｣
靴を脱いで上がったところで、智が慌てた様子で振り返った。
｢用事あった？｣
｢ううん、大丈夫。編集部にはもう行ってきたし。あ、そうだ智。私ね？｣
もう一度書き始めたのって言おうと思ったんだけど、智が連れて入ってくれた暖炉のある広いリビングダイニングのあまりのセンスのよさに驚いて息をのんだ。
外観は異国風の洋館なんだけど、中はダークブラウンの落ち着いたカントリーテイストで、木をふんだんに使った暖かみのある空間だった。
｢素敵だね･････｣
私の好みって言いたかったけど、言葉を飲み込んだ。図々しいかなって思って。
智の優しい肩のラインを背中から見つめる。
愛しさで胸をいっぱいにさせていたら、くるっとターンするみたいに軽やかに振り返って言った。
｢俺と一緒にここに住まない？｣
あれ？私の頭壊れたのかな？
智から変な言葉が･･････。
でも、智がワクワクソワソワして私の返事を待っているから、空耳じゃないんだって、頭の中でさっきの言葉を繰り返した。
今、一緒にここに住まないかって･･････。
｢あ、あの、えっと、他に誰が･･････｣
｢いねぇし。･･････二人で一緒に住まない？｣
私がすぐに返事をしないから、だんだん不安そうにこちらを窺ってくる。
本当なんだ、本当に智は私と一緒に住む気なんだ･･････。
｢いいの･････？｣
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ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、最後のおまけ更新しましたよ。喜んでいただけたら嬉しいな。無事完結しました。本当にありがとうございました。 (2018年7月3日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 小春柴犬さん» 小春柴犬様。最後のおまけを更新しました。これまでコメントをたくさん下さって、本当に嬉しかったです。元気いっぱい貰いました。ありがとうございました！ (2018年7月3日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - あおさんこんにちは!おまけ追加ありがとうございます!フェロモンムンムンな2人の同棲生活覗けて嬉しいです(*´艸｀*)豚汁作って貰えて羨ましいです（笑）少し久々に来たらおまけ増えててもう興奮しちゃいました! (2018年6月29日 11時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - おまけの追加！！わ〜ありがとうございます(*ﾉωﾉ)ｷｬ何度でも大歓迎です。幸せ分けてもらってまーす！嬉しい！！ (2018年6月28日 10時) (レス) id: 74e877f3a6 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、嬉しいコメント、本当にありがとうございます。嬉しくって載せようか迷ってたお話、さっきアップさせちゃいました（笑）。喜んでいただけたら幸いです。ありがとうございました。 (2018年6月28日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年5月25日 14時
