90 乾杯 ページ43
送別会に現れた智は一人だった。
来ないかと思ってた･･･････。
｢では、雅紀の無事の渡航を願って。カンパーイ｣
櫻井先輩の音頭で送別会が始まった。よく海外に行っている雅紀君はこうして見送りの会を毎回開いて貰っているらしく、愛されてるなぁって感心しちゃう。ただ飲みたいだけだって先輩たちは笑ってるんだけど。
私の送別会も一緒にしようって言ってくれたんだけど、この前誕生会をしてもらったし、その時途中退場するっていう失態を犯したから申し訳なくて遠慮をした。もうあれで十分だったし、結局小説は採用されないでしっぽ巻いて逃げる形になっちゃったし、送別会を開いてもらっても、笑っていられる自信がなかった。
｢でもさ、今年の夏はAに出会えたから幸せだったな｣
向かいの席から雅紀君がにっこり笑って言ってくれて、有り難くて、すぐに私もだよって返した。
潤が選んだのはドイツビールが豊富なバル。木目の椅子と丸テーブルが味わいがあって、まるで現地にいるようだった。
お酒を飲むからって車はあらかじめ近くの潤の店に置いたから安心して飲める。
私の両隣にいるのは、左に潤、右にニノ。潤は当たり前のように私の隣に座って、智以外のみんなに睨まれてた。ニノはジャンケンに勝ってここにいるんだけど、何故か智がそのジャンケンに加わってて、驚いた。･････きっと、人の話を聞いてなくって、わけもわからずまざっただけだろうけど。
｢A、このビール美味いよ。飲んでみる？｣
潤が自分のグラスを指差したから、黒い色合いに興味を引かれて手にとろうとしたら、横からニノに奪われた。
どうして？って瞬きしてニノを見たら、何だか不機嫌だった。
｢いただきます｣
｢ど。どうぞ･･････。潤のだけど｣
隙のない視線で私と潤を舐めるように見ながら喉を鳴らしてのんでる。
｢美味い｣
｢そ、それは良かったね｣
空っぽのグラスを返されて、首を傾げながらテーブルに置いた。
まだこっちを見てるニノ。
なんなの？
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ao(プロフ) - 名無し30041号さん» 名無し30041号様、ご感想ありがとうございます！凄くいいところって言って貰えて、思わず自分で読み返しました。嬉しいです。次回も内容濃いいですのでお楽しみに！ (2018年6月8日 6時) (
レス) id: 662b179892 (このIDを非表示/違反報告)
名無し30041号(プロフ) - 初コメ失礼します。毎回読ませていただいています。すごく面白くて大好きです！今回すごく良いところで終わってて続きがすごく気になってます！更新楽しみにしてます！！ (2018年6月8日 6時) (レス) id: b3503f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 小春柴犬さん» 小春柴犬様。ありがとうございます〜。続投大歓迎です。倉庫のシーンは私の中でこの作品の中でＴＯＰ３の萌え所です。楽しんで下さいねー！ (2018年6月7日 8時) (レス) id: 662b179892 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - それにしてもお髭な大ちゃんもワイルドで素敵なんでしょうね（妄想）ヒロインちゃんも素敵なお話書けるといいなぁ。潤君ニノ雅紀君皆可愛い!先輩爽やかです。モテモテ羨ましい!続投すみませんm(_ _)m (2018年6月6日 16時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - あおさん更新お疲れ様です!お金じゃなくて愛情が欲しかったんですね夕子さん。子供って何!気になる…逃走しちゃいましたね（笑） (2018年6月6日 16時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年5月25日 9時
