81 マジ嬉しかった ページ34
一瞬身を固くした潤君だったけど、すぐに抱きしめ返してくれた。
｢脈ないのわかってるけど。･･････他の奴じゃなくて俺のところに連絡くれたの、マジ嬉しかった｣
｢パーティ台なしにしてごめんね｣
｢いいよ。･･････智がいたから、最初から何かあるかなとは思ってたし｣
身を起こそうとしたら、抱きしめ直された。
潤君の爽やかな異国の香りのフレグランスが鼻孔をくすぐる。
｢もうちょっと、このまま｣
かすれた熱い呟きに溶けそうになった。
潤君、本当にごめんなさい。･･････ありがとう。
時間はもう0時半。
だけどフロアに移動して潤君と一緒に食べたケーキはいくらでも入るくらい美味しくて、一切れと言わずにワンホール全部食べられそうだった。
｢残り、持って帰ってもいい!?｣
｢いいよ。後で車で送ってやるから。でもなるべく早く食べんだぞ｣
｢うん！すぐになくなるよ。･････もう一切れ食べてもいい？｣
｢よく食うな。もちろんいいけど。おまえのだし｣
｢やった｣
甘い甘いフランボワーズの効いたケーキは、私のスイーツの歴史の中でダントツ一位の美味しさだった。
みんなの帰ったフロアには、先輩がくれた花束と私の鞄と服が残されていて。
｢ここに帰ってくるって分かってたの？｣
｢智が多分そうなるって言ったんだよ。･･････妬けるな｣
智･･･････。
夕子さんがしてくれた話を思い出して落ち込んでたら、潤君がどうした？って尋ねてきてくれて、子供のことや二人のプライベートな話は避けて、もう夕子さんがお金を貰う気がないことや、智が絶対私を受け入れなさそうなことをかい摘まんで話した。
いつもなんだけど、潤君に話したら何かしらの解決策が見つかる気がして話したくなる。
聞き終えた潤君は腕を組んで難しい顔をしてた。
｢悔しいけど夕子の言うことは当たってるんじゃない？｣
｢やっぱり？｣
｢自分を許せない智は大事な女ほど遠ざける。相手が自分を諦めたら優しくしてやる。それは、わかった。理解もできる。･･････でもそうしたら智はいつ幸せになんの。駄目じゃん｣
私は息をのんだ。胸にぐさりと真実の矢が突き刺さる。
はっきり言いきった潤君の言葉に私は光明を得た気分になった。
そうだよね･････。だめだよね？ このままじゃだめだよね!?
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ao(プロフ) - 名無し30041号さん» 名無し30041号様、ご感想ありがとうございます！凄くいいところって言って貰えて、思わず自分で読み返しました。嬉しいです。次回も内容濃いいですのでお楽しみに！ (2018年6月8日 6時) (
レス) id: 662b179892 (このIDを非表示/違反報告)
名無し30041号(プロフ) - 初コメ失礼します。毎回読ませていただいています。すごく面白くて大好きです！今回すごく良いところで終わってて続きがすごく気になってます！更新楽しみにしてます！！ (2018年6月8日 6時) (レス) id: b3503f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 小春柴犬さん» 小春柴犬様。ありがとうございます〜。続投大歓迎です。倉庫のシーンは私の中でこの作品の中でＴＯＰ３の萌え所です。楽しんで下さいねー！ (2018年6月7日 8時) (レス) id: 662b179892 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - それにしてもお髭な大ちゃんもワイルドで素敵なんでしょうね（妄想）ヒロインちゃんも素敵なお話書けるといいなぁ。潤君ニノ雅紀君皆可愛い!先輩爽やかです。モテモテ羨ましい!続投すみませんm(_ _)m (2018年6月6日 16時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - あおさん更新お疲れ様です!お金じゃなくて愛情が欲しかったんですね夕子さん。子供って何!気になる…逃走しちゃいましたね（笑） (2018年6月6日 16時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年5月25日 9時
