ナゾナゾ ページ7
ロンドンへ行くのに、なぜ暖炉なのか。
この2つは、どうしてもAの頭の中でつながらなかった。
それが顔に出ていたのだろう。母と父が顔を合わせて笑う。
笑わないでほしい。こっちは真面目に悩んでいるのだから。
「なんでカーテンを締め切っていると思う？」
ナゾナゾを出すときの声で父が聞く。
なんで？ そんなの知るわけがない。
そう思うが、周りを見てAは考え込む。
家全体を締め切っているカーテン。そのお陰で、薄暗い。
カーテンで締め切るのは、夜ぐらい。電気をつけるから、部屋の中が丸見えになる。それが嫌だから、カーテンで締め切る。
そこで引っかかった。もしかして、と父を見て、それから、カーテンを見る。
でも、だとしたら、なぜ？
頭をひねるが、それはどうしてもわからない。昼間だから家の中は、見にくいのに、それでもなお、見えないようにする理由が。
「わかったかい？」
そう聞かれたので、ほとんど睨むような顔で答える。怒っているわけではない。
「見られたくないから、だと思う……。でも、わからない。見られたくない理由が」
チラ、と両親を見れば、またまたにっこりとしてこちらを見ている。
「そこまで、分かれば良いもんだ！」
普通は、「見られたくないから」ってだけで終わって、「なぜ見られたくないのだろう」なんて考えないさ、と父は笑う。
母はその言葉に笑ったまま、娘の頭を撫でる。
「ね、それで、なんで見られたくないの？」
「それはな、魔法を使うからさ」
「なんで？ なんで魔法を使うから、見られたくないの？」
なんかいけないの？ と問えば、今度は母が答える。
「マグル――――魔法が使えない人たちの事ね――――には、魔法を見られては行けないの。私達が働いている魔法省で決まっているのよ」
魔法を使えない人のことを、マグルと呼び、その人たちに、もし、魔法を見せてしまえば、面倒なことになってしまうので、とのことだった。
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作者名：蒼使ヰ | 作成日時：2020年4月25日 18時
