どうもこんにちは日本人と賢者の石です。 (ページ36)

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厳格な教授ページ36

三回、扉が腹に響くような音を出す。すると扉がパっと開いた。

　扉の向こうにいたのは、そしてこの扉を開けたのは、緑色のローブを着た、背の高い黒髪の女性。眼鏡をかけていて、その向こう側の目は厳格そうだ。

　大男が「マクゴナガル教授」とその女性の事を呼んだ。

「一(イッチ)年生の皆さんです」

「ご苦労様、ハグリット。ここからは私が預かりましょう」

　そして大男の名は「ハグリット」というらしい。

　マクゴナガル教授が今度は扉を大きくあけ放つ。そこには、一軒家が一つ、まるまる入ってしまいそうなほど、広く、天井が高い場所が。位置的に考えて、きっと、玄関ホールなのだろうが、まあ、広すぎる。

　石壁に取り付けられている、松明の炎を見ながら、Aは皆について行く。途中、ざわざわと何百人もの話し声が聞こえた。

　気が付けば、新入生たちは少し狭い部屋にぎゅうぎゅう詰めにされていた。皆がみんな、不安そうにキョロキョロと周りを見る。

「ホグワーツ入学おめでとう」

　新入生たちの定まらなかった目線が、サッとマクゴナガル教授に集まる。

「新入生の歓迎会がもうすぐ始めりますが、大広間の席に着く前に、皆さんが入る寮を決めなくてはなりません。寮の組み分けはとても大事な儀式です」

　マクゴナガル教授曰く、寮生とは、学校にいる間の家族である。共に学び、寝て、団らんする。

「寮は四つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンです。それぞれ輝かしい歴史があって、偉大な魔女や、魔法使い卒業しました」

　ここでAは少し、違和感を覚える。「偉大」な魔法使い、魔女が卒業して、「輝かしい」歴史がそれぞれにあるのであれば、なぜ、スリザリンは、そう、なんというか、評判がよくないのだろう。

「まもなく、全校列席の前で組み分けの儀式が始まります。待っている間、できるだけ身なりを整えて置いてください」

　マクゴナガル教授は、何人かの生徒に目を止めた。

「学校側の準備ができたら戻ってきますから、静かに待っていてください」そして出て行った。

　どこかで「どうやって寮を決めるんだろう」「試験のようなものだと思う」という声が耳に入る。

　Aが考えなかったことだ。試験があるなんて。だってまだ魔法知らないし、知ってるのお父さんが使ってた「インセンディオ、燃えよ」だけだし……。

　隣でハーマイオニーが、ぶつぶつ怖かった。