184_ 特別 ページ5
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歩き出した望くんを走って追いかけ、その腕を掴む。
咄嗟に掴んだ手は、思ったより力が入ってしまって、
望くんはびっくりしたように、ようやくその顔を上げた。
「望くん。傷付けて、振り回してごめん。話聞いて欲しい」
駅のホームのベンチは、殆ど人影がなく、
一人分空けて腰掛けても、私の全てが伝わってしまいそうだった。
慎重に言葉を紡ぐ。
「私な、望くんのこと他の人とは違う、特別な人やって思ってる。
ちゃんと思ってる。望くんの勘違いなんかやない。
望くんがいるから、毎日笑えんねん」
「…ほんまに?」
「ほんま。夏休み中、日和ちゃんにも言われてずっと考えててん。
望くんと今のままの微妙な関係でええんか。
そんでな、私なりに前に進んだ方がええって思った。
せやけど、どうすればええか分からんくて、何も出来へんかった。
何とかせな、このままの関係はあかんって思うほど、
望くんと今までみたいに話せなくなったり、
変に緊張しちゃったりしてかえって前に進めへんかってん」
「…夏休み明けてからちょいちょいよそよそしかったのって、
そういうことなん?」
「うん」
「…俺、Aに距離置かれたんかと思っててん…」
「そんなわけないやん。
望くんは、ほんまに私にとって特別で大切な人やねん」
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しょーゆ(プロフ) - みなみさん» かしこまりました! (6月22日 17時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» 新作ではありませんが、前に作って更新停止していたお話を今二つ連載中ですのでもしよかったら覗いてみてください!もちろん大歓迎です!ありがとうございます! (6月22日 11時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - みなみさん» 次回作も首を長くして待ってます!お気に入り作者さんに登録してもよいですか? (6月22日 11時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» コメントありがとうございます!私の作品で泣いていただけるなんて、こんなに嬉しいことはないです。こちらこそありがとうございます☺︎ (6月22日 9時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - 久しぶりに大号泣しました。感動作をありがとうございます‼︎ (6月22日 2時) (レス) @page45 id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみ | 作成日時:2023年5月30日 19時