219＿ 満月、満開 ページ40
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「うん、ごめんな。俺もやで。
やからさ、A、
ずっと俺の傍に居ってくれへんかな」
流星が私の涙を拭いながら、そう聞いた。
「え…？」
「もう、忘れてもええなんて、言いたくない。
俺がAの一番傍に居たいし、俺が、Aを幸せにしたい」
「流星、」
「俺な、この春から大阪の大学に通うことになった」
「え…？それって…」
「うん、だから俺ら、もう離れなくてええんよ。
今日引っ越してきた」
「っ、ほんまにっ？」
「ほんま。それも、Aのおかげ」
「どういうこと？」
「おとん、叱ってくれたやろ？」
また、涙が頬を伝う。
けど、今度の涙は、嬉し涙。
そして私たちは改めて、
今まで触れてこなかった流星の家の話をした。
流星の家に何があったか、
どうして私に何も話してくれなかったのか、
そして今はもう、解決したということも。
「Aに叱られてもうたわって、おとん笑ってたわ」
「ふふっ、ごめん」
「ううん。ほんまにありがとう。
そのおかげでおかんも認めてくれて、
俺は大阪に戻ってこれたんやから」
「よかったあ」
「まあ、おかんが認めてくれへんくても、
無理やりでも来るつもりやったけどな」
「ふふっ、そうなんや」
「うん。ごめんな、不安にさせて」
「ううん、私こそ気付いてあげられへんくてごめん」
「A」
この声が好きだったんだ。
全部が答え合わせされていくみたいに、
流星の一挙手一投足が、離れていた間の色々な感情を解いていく。
「もう絶対離れへんし、不安にさせへんし、泣かせへん。
俺がまた隣でずっと守る。
やから、俺と付き合ってください」
真っ直ぐすぎる視線に、捕まったみたいに動けなくて。
声を振り絞る。
「…流星、ありがとう。お願いします」
また、流星の腕が私を包む。
「けど、一個訂正させて？」
「何？」
「流星が私を守るんやないよ、私も流星のこと守る。
一緒に支え合えるようになりたい」
「…ははっ、A、何か変わったな」
「うん。私、親友のおかげで、明るく、強くなれたんやで」
そう、望くんのおかげで。
ありがとう、望くん。
やっと関係性に名前がついた私たちを、
鮮やかな満開の桜が見守っている。
空に浮かぶ月は、泣きたくなるほど綺麗な、満月だった。
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しょーゆ(プロフ) - みなみさん» かしこまりました！ (6月22日 17時) (
レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» 新作ではありませんが、前に作って更新停止していたお話を今二つ連載中ですのでもしよかったら覗いてみてください！もちろん大歓迎です！ありがとうございます！ (6月22日 11時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - みなみさん» 次回作も首を長くして待ってます！お気に入り作者さんに登録してもよいですか？ (6月22日 11時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» コメントありがとうございます！私の作品で泣いていただけるなんて、こんなに嬉しいことはないです。こちらこそありがとうございます☺︎ (6月22日 9時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - 久しぶりに大号泣しました。感動作をありがとうございます‼︎ (6月22日 2時) (レス) @page45 id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年5月30日 19時
