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213_ 一番 ページ34

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涙が頬をすっと滑り落ちた。



「望くん…、」


名前を呟くと、私の手を包む望くんの力が強くなった。







望くんは、私の気持ち、全部気付いていたんだ。

そして、私がこれから何を話そうとしているかも、
全部分かっている。




多分、いつからか分からないけれど、
私が決断を出すより前から、望くんは私の気持ちに気付いていた。


それは、どれだけ彼を苦しめただろう。






こんなに真っ直ぐ、私を想ってくれた彼を、私は今から振る。






涙を呑み込んで、ちゃんと話さなあかん。

「望くん…ごめんなさい。
私、望くんの気持ちにやっぱり答えられません」

「…うん」

「…望くんのおかげで、この三年間毎日楽しかった。
友達作るの苦手な私が、日和ちゃんや神ちゃんと仲良くなれたのも、全部望くんが居たからやし…
ほんまに…今までの学校生活で一番楽しかってん」

「…一番?」

「そう…一番。
早く月曜日にならないかなって思えた。
クラスに入るのが、怖くなかった。
女の子の親友もできた。
ペア作ったりグループ作る時に、迷わないで居れる人が常に居た。
小中の頃も、もちろん幼馴染はなるべく一緒に居てくれたけど、
クラス違ったりしたし、私はその影に隠れてるだけやったから…
やから、こんな風にクラスに馴染めて、嬉しかった。
こんな学校生活、初めてやったの」

「A…」

「望くん、ほんまにありがとう」


望くんは黙って首を振っている。

その目は、赤い。





「沢山支えてもらったのに、
私は振り回して、傷付けてばっかで。
それなのに、最後まで傷つけて、ほんまにごめん」

「…っ、ちゃうねんっ、」

「…望くんのことが、友達として、ほんまに大好きですっ、
でも、私は…」







「もうええからっ、」



ずっと包まれたままだった手が離れて、
小銭が散らばる音が響いたと同時に、
私は強く腕を引かれて、望くんに抱き締められた。









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214_ 叶→←212_ もう二度と、触れられない君へ。



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しょーゆ(プロフ) - みなみさん» かしこまりました! (6月22日 17時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» 新作ではありませんが、前に作って更新停止していたお話を今二つ連載中ですのでもしよかったら覗いてみてください!もちろん大歓迎です!ありがとうございます! (6月22日 11時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - みなみさん» 次回作も首を長くして待ってます!お気に入り作者さんに登録してもよいですか? (6月22日 11時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» コメントありがとうございます!私の作品で泣いていただけるなんて、こんなに嬉しいことはないです。こちらこそありがとうございます☺︎ (6月22日 9時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - 久しぶりに大号泣しました。感動作をありがとうございます‼︎ (6月22日 2時) (レス) @page45 id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみ | 作成日時:2023年5月30日 19時

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