209_ 夜よ ページ30
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望side
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「Aはさ、前に俺のこと特別やと思ってるって言うたよな」
「うん」
「なら、Aにとってこの幼馴染みは、どういう存在?」
「たった一人の幼馴染、かな」
その言葉を聞いて俺は、
言葉が出てこないってこういうことか、と思った。
たった一人という言葉が、頭の中で繰り返される。
特別な友達は一人ではない。
日和だって、神ちゃんだって、
Aにとって特別な友達だと思う。
その中で俺は少し抜きん出ているというだけで。
でも、特別ではなく、たった一人って言葉を、
迷いもせずに使ったA。
俺は結局、Aの一番近くに居ても、特別になれても、
Aのたった一人にはなれない。
もちろん今もAへの気持ちは零れそうだけど、
この気持ちは多分このままだと、
Aと自分を苦しめるだけの、負の存在になってしまう。
夜が明けなければいい、と思ったら、眠れなくなった。
覚悟を決めなければいけない時が迫っていると分かりつつも、
それでもやっぱりこの時の俺はまだ、
彼女の隣に居られる時間が僅かに残っている事実に、
縋るしかなかった。
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しょーゆ(プロフ) - みなみさん» かしこまりました! (6月22日 17時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» 新作ではありませんが、前に作って更新停止していたお話を今二つ連載中ですのでもしよかったら覗いてみてください!もちろん大歓迎です!ありがとうございます! (6月22日 11時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - みなみさん» 次回作も首を長くして待ってます!お気に入り作者さんに登録してもよいですか? (6月22日 11時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» コメントありがとうございます!私の作品で泣いていただけるなんて、こんなに嬉しいことはないです。こちらこそありがとうございます☺︎ (6月22日 9時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - 久しぶりに大号泣しました。感動作をありがとうございます‼︎ (6月22日 2時) (レス) @page45 id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみ | 作成日時:2023年5月30日 19時