201_ 合格発表 ページ22
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流星side
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しげの家で、二人ぴったりとくっついて二台並べたパソコンの前に正座する。
「なあ、あと一分やでっ、」
「分かってる」
「どうしよう、見たなくなってきた」
「わかるっ」
合格発表を一人で見るのは怖すぎるということでしげの家に来たのだけれど、普段は絶対こんなことしないのに、しげと肩を寄せあっても、全く無意味だ。
「吐きそう、牛丼吐きそう」
「いや、しげ昼食べてたのラーメンやん」
「今そういう正論突っ込みいらん」
「ええ…」
緊張のせいでいつも以上に支離滅裂なしげを宥めることを諦め、
壁の時計の秒針を見つめる。
「わ、時間なった…」
「ほな、せーので行こか」
せーのという声が重なったと同時に、画面をクリックする。
目をぎゅっと瞑って、その隙間から確認すると、
画面に表示されていたのは、
「ご、合格や…」
「なあ、俺もっ、」
頭をクロスしてお互いの画面を見ると、やっぱり合格の文字。
一瞬の間の後、俺たちは抱き合って叫んだ。
「受かった!受かった!」
「これで春から俺らも大学生や!」
しげも俺も、涙目になっていて、
そんなお互いの顔を見てまた笑い合う。
しげの母親に一通り祝福されたあと、
急いで電車に飛び乗り、走って家に帰った。
玄関のドアを勢いよく開けてリビングに飛び込む。
「おかんっ!お、れ…」
母はリビングのソファで目を赤くして誰かと電話していた。
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しょーゆ(プロフ) - みなみさん» かしこまりました! (6月22日 17時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» 新作ではありませんが、前に作って更新停止していたお話を今二つ連載中ですのでもしよかったら覗いてみてください!もちろん大歓迎です!ありがとうございます! (6月22日 11時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - みなみさん» 次回作も首を長くして待ってます!お気に入り作者さんに登録してもよいですか? (6月22日 11時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» コメントありがとうございます!私の作品で泣いていただけるなんて、こんなに嬉しいことはないです。こちらこそありがとうございます☺︎ (6月22日 9時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - 久しぶりに大号泣しました。感動作をありがとうございます‼︎ (6月22日 2時) (レス) @page45 id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みなみ | 作成日時:2023年5月30日 19時