182＿ 嫌だなんて ページ3
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「あ、ごめん。歩くの早かったやんな」
「そうやなくて。どうしたん？」
後ろから問いかけても振り向かない。
隣まで移動して、もう一度尋ねた。
「望くん、何かあった？」
「言うか迷ってたんやけど、俺告白された、さっき」
やっぱりそうか、と思い、私はそうなんや、としか言えなかった。
「一個下の子で、俺と仲良い後輩の友達で。
俺の一生懸命サッカーしてる姿が好きなんやって」
一生懸命。
その単語に、いつかの望くんの言葉を思い出す。
「Aはさ、…どう思うん」
「…え、どう、って？」
「俺が他の女の子に告白されて、どう思うん？」
望くんのことが分からないってこんなに思ったのは、
初めてだった。
真意の分からないその問いに言葉が詰まる。
「相手の子のこと私は知らんから…どう思う、って言われても…
何て言えばええか分からんけど…
望くんの気持ちに素直になればええんやないかな」
「…もし俺がその子にOKしたら？」
手首を掴まれて、いつもより強い口調でそう聞かれる。
「…望くんが決めたことなら、私は反対する資格なんてないし…」
そう呟くと、望くんが私の手を力なく離す。
頭一つ分高いところに顔があるのに、
深く俯く望くんの顔は見えなかった。
「Aは、…俺のサッカー初めて見た時も、俺が怪我した時も、
一番言って欲しい言葉くれたやん…」
望くんの声が小さく震えている。
「っ、やのに、何で今は一番欲しい言葉、くれへんの…」
本当は嫌だ。
嫌だし、それをちゃんと私だって望くんに言いたかった。
でも、彼女でもない、中途半端な私が、
望くんを振り回してばかりの私が。
望くんの心変わりを責めて引き止める資格なんて何処にもない。
だから、寂しいと思うけど、私はきっと、抵抗も出来ないまま、
望くんと完全な友達に戻る努力をするしかないと思うから。
だから、嫌だなんて、無責任に言えなかった。
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しょーゆ(プロフ) - みなみさん» かしこまりました！ (6月22日 17時) (
レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» 新作ではありませんが、前に作って更新停止していたお話を今二つ連載中ですのでもしよかったら覗いてみてください！もちろん大歓迎です！ありがとうございます！ (6月22日 11時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - みなみさん» 次回作も首を長くして待ってます！お気に入り作者さんに登録してもよいですか？ (6月22日 11時) (レス) id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - しょーゆさん» コメントありがとうございます！私の作品で泣いていただけるなんて、こんなに嬉しいことはないです。こちらこそありがとうございます☺︎ (6月22日 9時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
しょーゆ(プロフ) - 久しぶりに大号泣しました。感動作をありがとうございます‼︎ (6月22日 2時) (レス) @page45 id: 474224f74f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年5月30日 19時
