153＿ そんな君だから、 ページ6
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いつものファミレスで軽くお疲れ様会をして、
帰路に着く頃にはすっかり暗くなっていた。
駅でみんなで別れたけれど、
もう暗いから送る、と望くんが言ってくれて、
二人で駅から家までの十分程の道のりを歩く。
「いやーでも今日勝ててほんまよかったわ。
A見に来てんのに負けるとかダサすぎるもん」
「ふふっ、おめでとう。
でも、もし負けててもダサいとか思わへんよ」
「えーほんまに？」
「もちろん。
やって、今日初めて試合前のあんなに集中してるとことか見て、
もうその時点ですごいなって思ってたもん」
そう言うと、恥ずかしそうに鼻をすんっと啜る望くん。
「あとな、望くんのプレー、何か…強くて綺麗やなって思った」
「…え？」
「なんか、がむしゃら感とか必死感がなくてな？
サッカー詳しくないからあんまり分からへんけど、
んー、…とにかく何か、綺麗やなって思ったんよね」
そう言うと、黙り込んで立ち止まる望くん。
そんな姿に私は焦る。
「あ、待って、なんかこの言い方失礼やったかな…
望くんが必死にやってないとか…
…そういう風に言いたいんやなくて、えっと…」
「いや、ちゃうちゃう。
怒ってるんちゃうくてさ、何ていうか…
俺、Aのこういう所が好きなんやなって思った」
「…え？」
「俺な、根性論とか、勢いでプレーするの嫌いやねん。
俺は、力強さとか、勢いやなくて、
じっくり集中して、最短で勝ちたい。
無駄がないプレーがしたい。
もちろん全力でやってるけどさ、
必死に頑張ってたとか、一生懸命って言われるの、
何かあんまり嬉しくなくてさ」
真面目な顔をして言う望くん。
望くんのサッカーへのこういう思いは、初めて聞いた。
「せやから、Aがちゃんとそういう所見てくれて、
分かってくれるの、どんな褒め言葉より嬉しい。
そんな風に俺の事ちゃんと見て分かってくれるAだから、
好きなんやなって…」
恥ずかしそうに語尾が小さくなっていく望くん。
私だって。
こうして、ちゃんと嬉しいところや好きなところを言葉にして、
それを思った瞬間に真っ直ぐ言葉で伝えてくれる望くんだから、
私にとって特別な存在なんだよ。
口には出せなかったけれど、心の中で言葉にした。
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みなみ(プロフ) - てたたけさん» コメントありがとうございます☺︎そのお言葉がすごく励みになります！まだ長くなりそうですが、なるべく毎日更新で頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします！ (5月22日 10時) (
レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
てたたけ(プロフ) - コメント失礼します！いつも続きが気になって楽しみにしてます！更新頑張ってください！！ (5月21日 21時) (レス) id: d26d38b11f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなみ | 作成日時：2023年5月16日 15時
