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151_ 別人 ページ4

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アップをするサッカー部の人達の中で、
背の高い望くんはすぐに見つかる。

軽く体を動かしているだけなのに、
余裕そうな表情や洗練された動き、
そんな全てが他の人とは違う空気を纏っている。



かっこいいとか、そういう感情ではなく、
そんな彼の姿に凛とした強さ、を感じた。






「神ちゃんどこ?ちっちゃくて見つけられへん」

「日和ちゃん、怒られんで?」

「え、やってAわかる?」

「…い、今探してる」

「Aも見つけられてへんやないか」


二人で目の上の光を遮ってグラウンドを探していると、
ぴょんぴょんと飛び跳ねてこちらに手を振る神ちゃんを見つけた。



「あ、あれやん!」

私と日和ちゃんも手を振ると、
神ちゃんがベンチの方まで来てくれた。


「ええの?アップ抜けて」

「まだ時間あるしちょっとくらい大丈夫やで!」

「頑張ってな!」

「ありがとう!」

「あれ、望くんは?」


多分私たちが集まっていることに気付いているだろうけれど、
こちらに来る気配のない望くん。





「あー…A、試合見に来るの初めてやっけ?」

日和ちゃんが眉を下げてそう言う。

「え?うん、そうやけど」

「望な、中学の頃からずっとそうなんやけど、
試合前は必ずああやって一人で居んねん。
集中したいからって人とお喋りとか全然せんの。
な?神ちゃん」

「うん。俺らともほんまに必要最低限の会話しかせんし、
普段と別人やで。
話しかけてもなかなか気づかんかったり」



そんな二人の話を聞きながら望くんの方を見た。



そういうことだったのか。

普段なら、穏やか、明るい、柔らかい、
そんな言葉で表される望くんに、
初めて強さを感じたのは。





望くんの、
これまで見たことがないくらい自分の世界に入り込んだ表情。





知らなかった顔を初めて見て、私の胸がどきんと跳ねた。







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みなみ(プロフ) - てたたけさん» コメントありがとうございます☺︎そのお言葉がすごく励みになります!まだ長くなりそうですが、なるべく毎日更新で頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします! (5月22日 10時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
てたたけ(プロフ) - コメント失礼します!いつも続きが気になって楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (5月21日 21時) (レス) id: d26d38b11f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみ | 作成日時:2023年5月16日 15時

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