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175_ 守ってくれる人 ページ28

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手紙を貰って一ヶ月が経とうとしていた頃。

木々はすっかり枯れていた。




その日、望くんは家の用事があるらしく、
久しぶりに一人で帰った。

すっかり日の短くなった外を、ぼんやり歩く。

望くんと帰らないのがとても久しぶりだったからなのか、
私は何となくずっと、流星との帰り道を思い出していた。





不意に携帯がポケットで震えて、
開いてみると母からお使いのメッセージが届いていた。


もう少しメッセージが来るのが遅かったら、
真っ直ぐ帰っちゃう所だった、と思いながら、
少しだけ遠回りをしてドラッグストアへ向かう。






普段あまり買い物に行くことは無いから、
こっちの方を歩くのは高校に入ってから初めてかもしれない。

懐かしい道を、わざとゆっくり歩いた。




ドラッグストアへ向かう途中の道には、
私と流星が毎日のように遊んでいた公園があって、
思わず足が止まった。

そして私は、買い物を急いで済ませてから、
何となく中に入って、ベンチに腰掛けてみる。



小学校低学年くらいの男の子と女の子が、
手を繋いで走り回っている。

そんな様子を見て、微笑ましくも切なく感じていると、
不意に二つの記憶が呼び戻された。









一つ目は、あの子たちと同じくらいの年齢だった頃。
転んで血が出てしまい号泣していた私のために、
わざわざそこのドラッグストアまで走って行って、
絆創膏を貼ってくれた流星のこと。


今思うと大した怪我じゃなかったのに、
泣きじゃくる私に何度も大丈夫やって言いながら、
すごく焦りながら、不器用に絆創膏を貼ってくれた気がする。










流星は、そういう不器用な人だった。

素直じゃないし、口下手だし、あまり口数も多くないけれど、
常に私のことを考えて、私を守ってくれる人だった。










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みなみ(プロフ) - てたたけさん» コメントありがとうございます☺︎そのお言葉がすごく励みになります!まだ長くなりそうですが、なるべく毎日更新で頑張るのでこれからも応援よろしくお願いします! (5月22日 10時) (レス) id: b2af61b783 (このIDを非表示/違反報告)
てたたけ(プロフ) - コメント失礼します!いつも続きが気になって楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (5月21日 21時) (レス) id: d26d38b11f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみ | 作成日時:2023年5月16日 15時

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