検索窓
今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:106,356 hit

二度目 ページ49

Aの目に迷いは見えず、コナンは口を開けずに拳を強く握りしめる。
漸く戻れたと言うのに、何故また組織なんかに…
だが、コナンにも分かっていた、Aの本心が


『坊や、すまないが暫く彼女と二人にしてくれ。』
『赤井さん…、分かった』


コナンは言いたい事はあれど、赤井の目を見ると黙って頷き部屋を後にした。
暫くの間、静けさが部屋を覆う
その静けさは、ビリって何かを破る音でかき消され、Aの目の前には、赤井の姿に戻った男が優しく笑みを浮かべていて、Aはその素顔にそっと手を伸ばすと震える手で頬に触れた


『はっきりと、言葉にした事は無かったな…。A、俺はずっとお前だけを愛している。この気持ちは、変わりはしない。』
『秀一さんは…本当に変わらないね…昔からいつも優しくて…いつも、見守ってくれていた。』


赤井は、己の頬に触れるAの手を引きその胸に掻き抱くと、小さな体はすっぽりと赤井の腕の中に収まる。


『行くなと言っても…無駄だな』
『……ごめんなさいッ』


微かに震える赤井の背に手を回すと、そっと抱きしめ返す。
もう二度と触れてはいけないと何度も誓ったこの温もりを忘れないように、今だけは許して欲しい。


この温もりだけは、守りたい。


僅かな時間抱きしめあった二人は、互いにそっと腕から力を向き互いに確認し合うよう見つめると、赤井に唇を奪われていた
それは一瞬で離されたけれど、確かな熱を唇に残し離された赤井の表情は穏やかに見えて、陰りを感じさせる。


『2度目、だな』
『…ッ覚えていたの!?』
『熱烈なkissだったからな』
『秀一さん!』


まだ幼かった頃、一度だけふざけて赤井の唇を奪ったのはAだった。そのお返しのつもりかと手を振り上げたAの手を取り、真剣な瞳を向ける赤井に、Aは黙ってしまう


『忘れるな、俺は決して諦めない。お前をこの手から逃す気はない。』
『秀一…さん…』
『それと、その無防備な態度は改めてくれ、安室君に食われるぞ』
『くっ、食われません!彼を何だと思ってるの!?』
『彼は俺と似ている節がある、余り侮るなよ。』
『だ、大丈夫だよ、安室さんが強いのは重々承知しているから』
『…お前、分かっていないだろ?全く、まだまだ子供だな。』
『なっ、悪かったですね!どうせ三十路の秀一さんからしたら子供ですよっ!』
『ふっ…まぁ、なかなか可愛い反応で、楽しめるがな。』
『〜〜っ。』

未来に向けて→←組織へ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (87 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
223人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琴美と蒼(プロフ) - みぃちゃん,mさん» とても嬉しいコメントありがとうございます(^_^)番外編も今後書かせて頂きます♪ほのぼの系も好きなので、赤井さんとの馴れ初めも書かせて頂けたらと思います、厳しい評価も頂いておりますので、少し更新を見直しますが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: d4f003a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - 続編おめでとうございます!!今日から見始め、私の大好きなキャラ視点が多く、とても嬉しいです!もし番外編を書く機会があれば、赤井さんと夢主ちゃんが初めて会ったお話、2人のほのぼの等を書いてくれませんか?出来れば赤井さん視点で!これからも応援してます!! (2018年1月10日 22時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琴美と蒼 | 作成日時:2018年1月10日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。