真意 ページ46
『あれ、どうかしたの?』
部屋に入った時、感じたのは対峙する二人の間で頭を抱える少年が異様に困惑している様子で、Aは何となく理解出来てしまうと、あえて素知らぬふりで首を傾げ、少年コナンが安堵の色を露わに笑顔で駆け寄ってくるので腰を屈めて頭を撫でる
『大丈夫?コナン君、何か困った事があった?』
『えっと、…僕には良く分からなくて』
説明が出来ない事を申し訳なく思ってか眉を寄せ目尻を下げて見上げるコナンが可愛くて、追求は可哀想に思い視線を優作へと向けると、既に有希子が優作と何かを話している様子に近づくと母から黄色悲鳴が上がった
『嘘〜!昴さんと安室さんが!?もぅ流石は私の娘ねぇ』
『こらこら、声が大きいぞ』
『あら、ごめんなさぁい。』
『お母さん、何の話し?』
嬉しそうな笑顔の母に問うAだったが、有希子は人差し指を口元に添え、ウインクを飛ばしながら内緒と教えてくれなかった。
『お母さんだけ楽しそうで狡いよ』
『そう言うならやっぱりドレスとメイクやり直させて頂戴よ〜』
『嫌です、皆がいて…恥ずかしいもの』
『折角可愛いのに、残念だわ〜』
何とも楽しげな二人の会話の通り、Aの服装は先程と何も変わってはいなくて、昴と安室は不思議に感じていたが二人のやり取りで納得がいき、些か残念な気持ちを抱きつつ、母娘のやり取りを見つめながら、口元を緩ませていた。
結局その日は、有希子の強引すぎる押し切りで、安室とコナンも工藤邸へ泊まる事になり、一番気が気ではなかったのは、言うまでもなくコナンであった。
『昴さん、ちょっとお話したいんだけど』
『何ですか?』
否、何ですかって…
分かっていて聞いている事が筒抜けな昴の反応に、コナンが半笑いをしながらも、彼の手を引き皆が集まるリビングから廊下へ出ると、すぐ様真剣みを帯びた視線で見上げた
『安室さんが泊まっても平気なの?万が一、昴さんの正体が気づかれたらどうすんの?』
『恐らく心配はないだろう、少なくとも今の彼の優先順位は俺ではないだろうからな。』
『まぁ、それは見ていて分かるけどさぁ…』
『それよりも一つ、気がかりな事がある』
『えっ、何?』
片目を開き赤井の目で閉ざされたリビングの扉へ視線を向けた昴に、コナンは何があったのだと探る体制を向けると、一つ息を吐き出してからゆっくりと口を開いた昴の言葉に、開いた口が塞がらなくなった
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琴美と蒼(プロフ) - みぃちゃん,mさん» とても嬉しいコメントありがとうございます(^_^)番外編も今後書かせて頂きます♪ほのぼの系も好きなので、赤井さんとの馴れ初めも書かせて頂けたらと思います、厳しい評価も頂いておりますので、少し更新を見直しますが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: d4f003a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - 続編おめでとうございます!!今日から見始め、私の大好きなキャラ視点が多く、とても嬉しいです!もし番外編を書く機会があれば、赤井さんと夢主ちゃんが初めて会ったお話、2人のほのぼの等を書いてくれませんか?出来れば赤井さん視点で!これからも応援してます!! (2018年1月10日 22時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琴美と蒼 | 作成日時:2018年1月10日 5時