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好きだから ページ37

此方がどんな思いでいるか等到底理解の出来ないあどけない顔をして覗きこんでくるAに、降谷はもう言葉を無くし重い溜め息しか出なかった。


『いいよ、難しい話をして悪かったな。それに、無理に降谷と呼ばなくていい、今は安室でなくてはいけないから。』
『‥でも、本当は降谷さんでしょ?』


何度も安室と呼びそうになり訂正を繰り返すAに、言いにくいのだろうと思った降谷の言葉に、Aは悲しげに眉を寄せていた


『本当の自分をずっと隠してるなんて大変でしょ?降谷さん疲れちゃうし、無理して見えるよ。』


無理はしていない
少なくとも他人に気取らせるような真似はした事はないし、降谷は否定の声を出そうとしたが、目の前のAは至って真剣で心配が顔に滲み出ていた。


そうか‥
俺はAの前で、安室になりたくは無かったのか


別人格と分けてはいても、安室透という存在は確かに降谷自身の中にあるもう一人の人格だ。
それは降谷自身受け入れているし、嫌いではない。
だが、Aの前ではやはり偽りたくはないのだろう、それを無意識に感じ取らせてしまったのだと一人納得し、情けないと眉を下げた降谷を見ると、Aは降谷の両手を掴み顔を近づけてきた


『いいよ、私と二人の時は降谷さんでいて大丈夫だよ。私は降谷さんも安室さんも好きだから。』
『!?』


満面の笑顔でそう告げるAは、純粋に慕ってくれているのがわかり、それと同時に“好き”と言う感情が家族に近い思いなのだろうと感じ取ってしまう。


Aは何も分かってはいない


降谷は握られた手を下ろすと、自然と離れたAの手に視線を向け小さく笑う
一緒にいた時に言われたように、降谷でいていいと言ってくれるAの優しさが、懐かしく、そして自分の想いが届かないもどかしさに体が震える


『‥すみません、少し頭を冷やしてきます』
『えっ?あっ安室さん!?』

悲しませたくなんてない→←君に嘘はつけない



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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 安室透   
作品ジャンル:恋愛
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琴美と蒼(プロフ) - みぃちゃん,mさん» とても嬉しいコメントありがとうございます(^_^)番外編も今後書かせて頂きます♪ほのぼの系も好きなので、赤井さんとの馴れ初めも書かせて頂けたらと思います、厳しい評価も頂いておりますので、少し更新を見直しますが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: d4f003a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - 続編おめでとうございます!!今日から見始め、私の大好きなキャラ視点が多く、とても嬉しいです!もし番外編を書く機会があれば、赤井さんと夢主ちゃんが初めて会ったお話、2人のほのぼの等を書いてくれませんか?出来れば赤井さん視点で!これからも応援してます!! (2018年1月10日 22時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琴美と蒼 | 作成日時:2018年1月10日 5時

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