あいつは家に帰す ページ21
『やだ‥ッジンお兄ちゃんと離れたくない‥』
『A‥』
Aの泣き声にもジンは振り替える事なく病室から出ていった。
側にいてくれる安室が心配そうに背中を擦ってくれても、やっぱり悲しくて涙は止まらない。
暫く安室にすがりつき泣いていたAだが、泣き付かれてそのまま寝息を立てて眠ってしまうと、ベッドへと寝かしつけられた。
『ベルモット、貴方は事情をご存じのようですね。』
『全てではないけど、Aがジンをお兄ちゃんと呼び慕っていた姿は見たわよ。』
『‥ジンは、どう思いAを組織に』
『詳しくはジンに聞くのね、私の口からは話せない。』
『そうですね‥』
どちらにしても、こんな状態では外にも出せない。
ジンは家に帰れと言っていたが、あれはどうゆうつもりで言ったんだ?
Aが組織の人間である以上、家に帰す事はまず出来ない、情報漏洩の可能性を考えれば最悪ー‥
『バーボン、取り合えず今日は私がAの側に付いているわ。貴方はやるべき事があるのでしょ?』
『‥分かりました、また明日来ます。』
何がおきようと、必ず守る
Aは誰にも渡しはしない
安室は病室をあとにすると直ぐに電話をかけた。
『何のようだ』
『お話があります』
『‥病院駐車場で5分以内だ』
ジンとの短い会話を切ると駐車場へと急いだ。
ジンは愛車の中で煙草を吸っていて、安室の姿を確認しても視線は合わせる事はなかった。
『ジン、Aとの関係を追求する気はありません。ただ、貴方が今後どうするおつもりなのか教えて下さい。』
『‥言った筈だ、あいつは家に帰す。』
『それは不可能だと貴方自身お分かりでは?組織は裏切りと判断し、彼女を』
『記憶を失った事はあの方へ報告済みだ、監視付きにはなるが家に返して問題ない。』
『!?それを了承頂けたのですか?』
『了承されなければ俺の手でAは殺す。あいつの両親を殺ったようにな。』
ジン、貴方は今自分がどんな顔をしているのか
分かっていますか?
こんなジンを見るのは初めてだった。
先程は無意識に涙をながし、今は泣いてはいないながらもその目にはいつものギラ付いた鋭さは消えている。
見えるのはAを思う気持ちだけだ。
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琴美と蒼(プロフ) - みぃちゃん,mさん» とても嬉しいコメントありがとうございます(^_^)番外編も今後書かせて頂きます♪ほのぼの系も好きなので、赤井さんとの馴れ初めも書かせて頂けたらと思います、厳しい評価も頂いておりますので、少し更新を見直しますが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: d4f003a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - 続編おめでとうございます!!今日から見始め、私の大好きなキャラ視点が多く、とても嬉しいです!もし番外編を書く機会があれば、赤井さんと夢主ちゃんが初めて会ったお話、2人のほのぼの等を書いてくれませんか?出来れば赤井さん視点で!これからも応援してます!! (2018年1月10日 22時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琴美と蒼 | 作成日時:2018年1月10日 5時