ジンと家族の過去編〜命よりも尊い〜 ページ14
俺が服の中の銃を握り締めると、女はその顔に笑みを浮かべていた。
『‥やはり、貴方は和巳の仰っていた通りの方ですね。』
『なんの事だ?』
『和巳は良く貴方のお話をして下さいました、子供だと言うのに無茶ばかりをして、自分で自分の命を縮めている子だ、だからこそ生きていて欲しいのだと。』
『‥ふざけた男だ、勝手な言動で俺を振り回し、挙げ句裏切っておいて』
『全て、私が原因です。和巳は貴方を裏切りたくはなかった筈です、だからAが貴方に助けられたと聞いた時、驚きながらも逃げる気はないと笑って話しておりました。』
『‥で、あんたはどうすんだ?和巳の事はまだ俺しか知らない、今俺が消えれば組織に漏れる可能性は低いぜ。』
『私は貴方を信じています。』
『!?』
信じています、だと‥
初めて顔を会わせたこの俺に、信じる等と言うこの女は馬鹿なのかと睨み付けてみても、変わらず笑っている女に舌打ちが出た。
『和巳といい、揃いも揃い目出度い頭をしてやがる。』
『違いますよ、私は和巳程貴方を信じていませんでした。でも、今日貴方にお会いして確信が持てたんです。貴方はやはりお優しい方なのだと。』
『俺を善人扱いするな、組織に黙っておくのは無駄な労力をかけたくはないからに過ぎない。もう二度と俺の前に姿を見せるな。』
『お待ち下さい。』
尚も呼び止める女に苛立ちを露にしたまま振り替えると、目の前に一冊のノートを差し出していた。
『貴方が長年追い続けていた女は私です、私はFBIを辞めてからも独自に組織を追っていました。このノートにその全てを記してあります。』
『!?』
『私の遺体は差し出します、だからどうか和巳とAはお見逃し下さい。お願い致します。』
俺が追っていた女は今目の前にいる女とは別人だ、信じられる話ではない、だが女が差し出したノートに記された内容は、組織から盗まれていたデータに間違いはなく、証拠は十分だった。
『そこまでして、家族を守りたいか‥』
『はい、私にとって二人は命よりも尊い存在です。なので貴方にお願いしたいのです、私の命と引き換えに二人を』
『断る』
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琴美と蒼(プロフ) - みぃちゃん,mさん» とても嬉しいコメントありがとうございます(^_^)番外編も今後書かせて頂きます♪ほのぼの系も好きなので、赤井さんとの馴れ初めも書かせて頂けたらと思います、厳しい評価も頂いておりますので、少し更新を見直しますが、頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。 (2018年1月10日 23時) (レス) id: d4f003a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん,m - 続編おめでとうございます!!今日から見始め、私の大好きなキャラ視点が多く、とても嬉しいです!もし番外編を書く機会があれば、赤井さんと夢主ちゃんが初めて会ったお話、2人のほのぼの等を書いてくれませんか?出来れば赤井さん視点で!これからも応援してます!! (2018年1月10日 22時) (レス) id: 04aa308079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琴美と蒼 | 作成日時:2018年1月10日 5時