[名探偵コナン]知られざる素顔2

過去編 〜秀一さんとはいられない〜 ページ2

今、名前を呼んだ？
そんな筈ない、今は男装しているし何より9年も昔に別れたきりなのに、彼が覚えていてくれる筈がない。
Aは必死に走り空港から外に出た瞬間腕を掴まれ引き寄せられた。


『！？』
『逃げるな、‥A』


目の前にいる彼は、呼吸を荒く額に汗を滲ませながらも、瞳は真剣にAを見つめた


『‥勘違いです。私は』
『俺がお前を見間違えると思うのか？9年たとうがお前は変わりはしない。』
『‥ッ』


どうしてそんな事を言ってくれるの？
9年も昔に別れたのに、その目は真っ直ぐ真剣で、Aは赤井の目を見ることが耐えられずに掴まれた腕をふりきろうとすると、力強く引かれるまま赤井の胸の中に納められる。


『A、俺から逃げようとするな。』
『秀一さん‥、駄目だよ。私はもう昔とは違う、秀一さんに触れてはいけないんだよ。』


赤井の腕から逃れようともがいてみても、更に強く抱き締められて、逃げられない。
このまま、貴方の側にいられたらどんなに良いか、そんな願いは叶う筈がない。
だって‥


バシュン


『！？』
『赤井秀一！今すぐマティーニから離れなッ！』
『赤井秀一、俺‥殺す』
『キャンティ、コルン！？』
『秀！今すぐ隠れて！』


キャンティとコルンが赤井を狙い一発撃ち込むのを皮切りに、赤井を呼ぶ同僚らしき女性の声に一瞬赤井の視線が反れたのを狙い力任せに彼の胸を突き飛ばすと走り出す。


『A待てッ！！』
『追わせないよ！』


ごめんなさい！秀一さん


Aは振り替える事なく、人並みに紛れ消えていくと、赤井を追わせまいとキャンティ達は赤井を狙い狙撃体制を取り、半ば無理矢理仲間たちにより引きずられ赤井は建物内部へと消えていった。

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