[名探偵コナン]知られざる素顔2

過去編 〜会いたくて会いたくて、ずっと焦がれた貴方〜 ページ1

アメリカは、色々な事がありすぎて
好きだけど、嫌い‥
そんな場所


『良い天気だな〜』


約9年ぶりのアメリカの地は眩しい程の太陽が照らし迎えてくれて、空を見上げ目を細めていると突然の女性の悲鳴と子供の泣き叫ぶ声に辺りを見渡すと、空港内の一部に人だかりが出来ていた


『‥あの男』


人だかりに紛れ中心を見てみると、小さな男の子を抱き体格の良い男がサバイバルナイフを振り回し威嚇していた、数メートル離れた位置に若い女性が泣きながら子供の名を呼んでいる様子からあの子の母親なのだろうが、あの位置は不味い、一歩間違えば男のナイフが子供だけではなく女性に迄襲いかねない。


『警備は何をやっているんだ』


まだ警官が見当たらないし、警備の人間は人質がいる為全く動けない状況に、子供からナイフが離れた瞬間思わず手に持ったコーラを犯人の足元に投げつけると、その弾みでコーラが噴射し、驚いた犯人が子供を抱く手を離した隙に子供は母親の元にかけていく。


その瞬間、一発の銃声が火花をふき犯人のナイフを弾き飛ばすと、警備の人間により犯人は取り押さえされた。


『すげぇな、今の銃弾何処から飛んできたんだ？』
『知らないけど、凄い腕だったわね。』
『‥。』


今の弾道だと二階のフロアから？とAがそちらへ顔を上げると、ずっと焦がれて止まなかった赤井がライフルを仕舞う姿が見え、目を見張った。


『秀一さん‥、アメリカに帰っていたの？』


昔よりも大人で、その切れ長で綺麗な瞳に変わりはなく長い長髪を靡かせる彼を目に、涙が込み上げてくる。
ずっと会いたくて、会うことの許されない赤井がそこにいる‥。


『‥ん？』
『！？』


突然此方を見下ろした赤井と目が合い、慌てて目を反らしたAは踵をかえし、走り出す。


『‥Aッ！』

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