23...出立 ページ26
出立の日がやってきた。
向こうの世界から持ってきていた荷物なんてジャージくらいなもので、あと旅に必要なものはすべてシンドリアの人たちが揃えてくれた。
服装も旅に適した丈夫なもので、仕立ての人の粋な計らいか、俺達のジャージの色合い、白とライトグリーンを基調としていた。
Aもいつものだるだるの服ではなく、割と動きやすそうな服装に着替えている。
「じゃ、今までありがとうございました」
見送りに来てくれたシンドバッドさんと八人将の人達。
皆短い期間だったがそれぞれに技を仕込んでくれた師匠と別れを惜しんでいる。
通過点に過ぎないこの国の暮らしだけど、やはり情はあるものだ。
しかし意外なことにAは挨拶を済ませると、皆と惜しむこともなくさっさと船に乗り込んでしまった。
少し唖然としていると、背後でジャーファルさんが苦笑した。
「そういう子ですからね」
「や、でも……長くここにいたわけでしょう」
「ええ。まあ、少なくともあなた達よりかは、ですが」
「え?Aはこの国の人じゃないんですか」
「はい。1年少し前ですよ。彼女が来たのは」
「へえ……それでも1年半分の思い出はあるはずなのに」
なぜか、ジャーファルさんの笑みが少し悲しそうになった。
「惜しめば惜しむ分辛いんでしょう。あの子にとっては」
「……そういうもんですかね」
「ええ」
「さあ、そろそろ出港の時間だ。彼らに武神の加護があらんことを祈ろう!」
盛大に見送られ、船は穏やかな海上をゆったり進む。
世界の穴を埋める旅、元の世界に戻る旅が、始まる。
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てん太(プロフ) - 兎亜さん» 二章も始まったのでよければ読んでください! (2014年9月28日 11時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - てん太さん» うっはぁ同志様ですね() (2014年9月28日 11時) (レス) id: 930da2fbf6 (このIDを非表示/違反報告)
てん太(プロフ) - 兎亜さん» うおおおわかりますわかりますよ!それイメージして書きましたうへへ (2014年9月28日 10時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - てん太さん» 岩ちゃんはきっとゾーン使える(わかんなかったらすみません) (2014年9月28日 10時) (レス) id: 930da2fbf6 (このIDを非表示/違反報告)
てん太(プロフ) - 兎亜さん» うぇーいありがとうごぜえます!!目が……目がイってる……ガクブル (2014年9月28日 9時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
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