22...夏雪 ページ25
国が深刻な熱病に悩まされていた時期があった。
おそらく感染症、シンドリアの医療では手の打ちようがない病だった。
八人将も数人倒れ、大戦争以降、最も国が危機にさらされていた頃。
ふらりと国にやってきたのが、あの子だった。
空からやってきた彼女は地に降り立つと、何も言わず突然国中に雪を降らせた。
寒さに弱いらしい熱病の病原体は、またたく間に殲滅。
国は救われることになった。
常夏の国で突如、雪と共に舞い降りた少女は、名をAといった。
｢待ち人がいるんだ。少しの間、ここに住まわせてもらってもいいかな｣
そんなこんなで一年と少し、Aはシンドリアで暮らした。
人々ともすぐに親しくなった。
彼女の偉業を知る人々が雪を強請るたびに、彼女は彼らの頭上に雪を舞わせた。
いつもにこにこへらへら笑っていて、誰にも怒らず優しい子だった。
｢待ち人って、誰なんだ？｣
それを尋ねたとある夜。
｢……シンさんは、この世界の救世主だって皆言ってた｣
｢あ、ああ……｣
｢だから、教えるってわけではないんだけど……｣
そう前置きをしてAは自分のことをぽつぽつ話した。
にこにこと笑いながら、でも少し辛そうに話していた横顔が、ひどく印象に残っている。
笑顔に隠した奥にある感情。
少しも触れることができないまま、俺はあいつのことを忘れてしまうのだろうか。
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てん太(プロフ) - 兎亜さん» 二章も始まったのでよければ読んでください！ (2014年9月28日 11時) (
レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - てん太さん» うっはぁ同志様ですね() (2014年9月28日 11時) (レス) id: 930da2fbf6 (このIDを非表示/違反報告)
てん太(プロフ) - 兎亜さん» うおおおわかりますわかりますよ！それイメージして書きましたうへへ (2014年9月28日 10時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - てん太さん» 岩ちゃんはきっとゾーン使える(わかんなかったらすみません) (2014年9月28日 10時) (レス) id: 930da2fbf6 (このIDを非表示/違反報告)
てん太(プロフ) - 兎亜さん» うぇーいありがとうごぜえます！！目が……目がイってる……ｶﾞｸﾌﾞﾙ (2014年9月28日 9時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
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