【HQ×マギ】初夏の青葉と常夏の雪 (ページ22)

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19...師弟ページ22

｢君に教えられる事はここまでよ。まあ、ここからが大変なんだけどね｣

これからは、自分に合った自分に必要な魔法を、自分で創り上げていかなければいけない。

｢アキラくんの体力も魔力(マゴイ)も私を上回ってる。でも、そういうものとは別の素質が魔導師には必要なの。創造力と発想力。それはここで私に学んでるだけじゃ、絶対に得られないものよ｣

そう言って、俺の肩に届くほどの長さの杖を渡した。

｢これを使って。君のルフの性質、私と同じ水属性の魔法が使い易いようになってるから｣
｢……ありがとうございます｣

すると、ヤムライハさんは少し寂しそうに笑った。

｢どうかしましたか？｣
｢いやあ、昔を思い出しちゃってね……｣
｢以前にも弟子を？｣
｢うーん、弟子って言ってもいいのかしら。私はあの子にただ魔法の原理を教えただけだから。……その子はマギなの。けど、生まれたばっかりでね、何も知らない、ただその無限のルフの力を頼りにしてたような子だったわ｣

これまでの経緯を考えると、そのマギは前の大戦争でも戦ったはずだ。

｢今はバルバットで専属魔導師なんてものになってるはずよ。すっかり出世しちゃって、ほんと…………Aが旅に出たらまずバルバットへ向かうって言ってたから、もしかしたら会えるかもね｣

◆

｢すげーなユウタロウ！どんだけ成長するつもりだ！｣
｢あっ、ありがとうございます！｣

師匠は剣を収め、俺の肩を叩く。

｢ただ、剣にお前の性格が出ちまってるな｣
｢はあ……｣
｢クソ真面目。かってーんだよなぁ、お前の剣｣

惜しいなー、と笑われる。

｢俺さ、昔弟子がいたんだ。今はバルバットの国王だったっけな｣
｢こ、国王！？｣
｢そーんな驚くことじゃねーよ。あいつの剣はおもしれー。お前も一回手合わせしてもらうといい。旅に出たら最初にバルバットに行くってA言ってたからよ｣

◆

｢ファナリスの弟子、ですか｣

川のほとりに座って、マスルールさんは頷いた。

｢弟子というより妹みたいな感じだった。あいつも俺も、自分の種族にはめったに会えないから｣

ばしゃばしゃと自分の顔を洗い、盛大に首を振る。

｢あいつ強かった。お前もだけどな｣
｢あ、あざっす｣
｢目標があったんだろうな、あいつにも……今、バルバットで暮らしてると思う。行ったら、お前も会ってみるといい｣