10...性別 ページ12
「おー、似合ってる、似合ってる」
部屋に戻ると、4人とも新しい服に着替えて僕を待っていた。
「前のヘンテコな服よりずっとこっちのセカイに馴染んでるよ。……ほら、軽食だけど」
そう言って4人にパンを投げ、僕も食べながら椅子に腰掛けた。
「君らも楽な格好になりなよ………会議が終わるには時間が掛かる」
しばし沈黙の時間。
すると、ふいにセンター分けの眠そうな目――アキラが口を開いた。
「Aって男なの?女なの?」
おおう、そこか。
周りの3人も、ぎょっとした感じ。敢えて触れてなかったみたいな。
「うーん、どっちに見える?……なんて、分かんないから聞いてるんだよね。僕は女だよ。変な一人称かもしれないけど、ちゃんもついてないし」
「あ、うん……」
「シンさん……あ、王様は詳しい事情を話せって言ったけどさ、そういうのって時間の流れの中で理解していくべきなんだと思うんだよね」
なんて、話すのがめんどいだけですが。
そんな僕を見抜いたのか、
「……俺らはこれからどうなるんだ?」
ハジメが訊いてきた。
「とりあえず一人前に戦えるように訓練、かな」
「訓練?」
「うん。それぞれ適正があるはずだから、八人将……ああ、王の直属の家臣みたいなイメージで大丈夫……に個別で教えを請うことになる」
「それは一体どんくらいかかるんだ?」
「さあ。君たちの努力次第かな」
「さあ……って」
ハジメが苛立ったように顔をしかめた。
「俺らはここでのんびりしてる暇はない。別に訓練してもらわなくたって構わない。はやく帰してくれさえすれば、それでいいんだ」
「ちょ、岩ちゃ……」
「なんの事情があるかは知らねーけど、こっちとしちゃいい迷惑なんだよ。突然意味わかんねえ世界に飛ばされて、この世界の事情なんて知ったこっちゃねえんだ」
俺達には、やらなきゃなんねえことがある。
話している間、ずっと僕を睨みながらハジメはまくし立てた。
ふう、と一息つき、僕は彼らを見回す。
「いいよ。このまま無知の君達を放り出すのでも、別に構わないんだ。こちらとしてはね」
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てん太(プロフ) - 兎亜さん» 二章も始まったのでよければ読んでください! (2014年9月28日 11時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - てん太さん» うっはぁ同志様ですね() (2014年9月28日 11時) (レス) id: 930da2fbf6 (このIDを非表示/違反報告)
てん太(プロフ) - 兎亜さん» うおおおわかりますわかりますよ!それイメージして書きましたうへへ (2014年9月28日 10時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
兎亜(プロフ) - てん太さん» 岩ちゃんはきっとゾーン使える(わかんなかったらすみません) (2014年9月28日 10時) (レス) id: 930da2fbf6 (このIDを非表示/違反報告)
てん太(プロフ) - 兎亜さん» うぇーいありがとうごぜえます!!目が……目がイってる……ガクブル (2014年9月28日 9時) (レス) id: 99cf43b891 (このIDを非表示/違反報告)
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