もう二度と離さない (ページ10)

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A「ねぇ、莉奈の寝顔、翔にそっくりね。」

翔「そうか？」

A「かなりね。」

翔「夕飯、どうする？」

A「何か買ってくるね。」

翔「外に食いに行こう。」

A「えっ？」

PiPiPi

翔「はい・・・ノブか。」

伸之「今からそっち行っていい？」

翔「俺ん家？」

伸之「ダメ？」

翔「待って。A、今からノブとか来ていいか？」

A「皆来るの？」

翔「多分な。Aが仕事してる時は莉奈は俺たちの楽屋に居るんだろ？
　俺以外にも慣れさせた方がよくないか？」

A「そうだね。いいよ。」

翔「もしもし？」

伸之「はい。」

翔「いいってよ。」

伸之「分かった。莉奈ちゃんはオレンジジュースでいいかな？」

翔「A、莉奈はオレンジでいいのか？」

A「莉奈はオレンジよりリンゴかな。」

翔「ノブ？リンゴだって。」

伸之「リンゴね。分かった。食べ物とかいろいろ買ってから行くから1時間くらいで行くね。」

翔「分かった。あとでな。」

A「皆飲むかな？おつまみでも作ってよっか。」

翔「いいよ。買ってくるって。」

A「そう？」

莉奈「うぇ～ん。マァマ～」

A「どうしたの？」

莉奈「ジューチュ・・・」

A「喉乾いた？」

翔「お茶しかないぞ。」

A「おもちゃの入ってる鞄の中に入ってる。」

Aに言われ鞄の中を探る。

莉奈の好きなアンパンマンの入れ物に飲み物が入ってる。

翔「はい。」

莉奈「パァパ・・・」

莉奈が俺に向かって手を広げているので抱っこするとまだ小さな手でぎゅっと俺の服を握った。

まるで、俺に離れないでと言っているかのように。

翔「大丈夫だ。パパはどこにも行かないからな。」

莉奈「？」

翔「ずっとママと莉奈の側にいるからな。」

A「翔・・・」

ピンポーン

翔「あっ、お兄ちゃんたちが来たよ。莉奈、お迎えするか。」

莉奈「うん！」

翔「ママは涙拭いててね？」

A「うん。」

ガチャ

翔「はぁ～い」

愁平「来たよ～。お～莉奈ちゃん。可愛いねぇ。」

翔「このお兄ちゃんの側に居ちゃダメだぞ？」

愁平「えぇ～そんなぁ～」

莉奈「キャッキャッ」

腕の中に居る莉奈は笑っていた。

翔「とりあえず入れよ。」

劇団「お邪魔しま～す」