私の知らない義理相関図 (ページ7)

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意識の壁ページ7

『…さ、帰ろっか。今日は楽しかった？』

「…うん。楽しかった。」

落ち着かないまま、俺はAさんと店から出てきた。
もう帰る時間だというのが初めてこんなに寂しくなって、脳は焦ってるのに心は沈んでるみたいな。そんな変な感覚だった。

「…Aさん」

『…どうしたの？』

「…俺、Aさんのこと、姉ちゃんって呼んでも、いいんですか…？」

『当たり前でしょ。さっきも言った通り、私は嬉しいよ。本当に、心から嬉しい』

「…じゃあ、姉ちゃん、で」

『ふふ、うん。じゃあ私もゆうごって呼ぼうかな。』

「え、俺を？」

『うん。だってこれからは＜Aさんとゆうごくん＞って関係から、＜姉と弟＞って関係になるんだよ？』

「…そっか。わかった。姉ちゃんが言うなら」

『やった。じゃあ、これからもよろしくね、ゆうご。』

「…うん。よろしく、姉ちゃん」

今まで抱えてた壁だとか、変な違和感が全部流れたようにすっきりした気分。
これからは姉ちゃん、って呼んでもいいんだ。
姉ちゃん、姉ちゃん。俺の姉ちゃんだ。
本当に、よろしくね、姉ちゃん。