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ページ9

的を叩き壊しながら進む。
 人間相手ではないだけで、これ程単純に作戦が動いていく事を、若干気色悪く思いながら俺は踏み込んだ。
「多いですね、また」
 地上部に6体、建物の屋根に5体。
 分担して撃破するしかない。
「えおさんは地上部お願いします」
「了解」
 的が多すぎるな。狙撃が間に合わない。残り4つ、3つ…
 場所ごとの撃破終了タイムも図られているから、あまり時間はかけられないのだが…
 そう思っていれば、背後から狙撃音。
 俺の背後から飛来した3つの弾丸。その弾丸は見事、的の中心を撃ち抜く。
「……?! FBさん、か」
『いぇーい、クリーンヒットォ! ほぅらみかせろ! …みかせろ?』
「自分で言って自分で聞かないでください」
『隊長―、いまの見ててくれました? 俺の明太子感w』
「明太子?w …いや、見てなかったわw」
 なんでですか隊長!
 そう言うFBの声が通信機から入ってうるさい。
 声大きい。
 次の通路へ進みながら、俺は肩越しに背後を見る。
(FBさんの姿、見えない)
 こんな距離から狙撃したっていうのか、あの人は。
 自分も眼はいいと自負しているが、これ程までに遠くから狙撃する人間を俺は見た事がない。
「…驚異的ですね」
「まったくだな」
 えおさんと対角線上に並んで走れば、次の指示場所まで辿り着く。
 壁に背を当て、状況を把握する。
「ぅわっ」
「シィナノルト、大丈夫」
「…はい。自律機動兵器ですね。俺の角度からは見えません」
「俺の方からも見えないな」
 俺とえおさんがどうしようかと思考を巡らせていれば、後方から再び発砲音。
 後方、しかも上だ。先に眼をやれば、自律機動兵器が破壊されている。
『やっぱりね、この距離感位ないとだめだよねー』
「…よく当てたな、FB」
『いや、この距離と見晴らしがさいこ…あぁ、距離、距離が、距離感がいるぅうぅぅう!』
「距離感がいるってどういうことですか…」
 呆れ混じりに言葉を返し、俺とえおさんは踏み込んだ。
 銃を引き抜き発砲。跳躍。蹴りで的を倒す。
 えおさんがダガーでさばく。的の頭部がとんだ。
『びっくりした…こっちにもじりゅちゅきじょうへいきぴた…』
「…何言ってるんですか?」
「……ww」
 えおさん笑うだけですか。
 大方自律機動兵器でもいたんだろうな、と察する。
 的がいた程度で応戦に慌てたりなんてしないだろうし。
 だが、これで1ブロック抜けた。

 残り、4ブロック。

3→←俺と新参兵、隊長と演習 1



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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時

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